漢字の紐解き「器」
器は古代中国では貴重なものでした。青銅器時代には、儀式用、杯(さかずき)用、さらに楽器として器が制作されていました。これらの器は贅沢品だったのです。さて、漢字をちょっと分析してみましょう。「犬」の四方に「口」(入れ物を表す)があります。なぜでしょう? これらの器は極めて貴重なものだったので、犬が常に護衛していたのです。
漢字の紐解き「順」
子曰く、「六十にして耳従う(耳順)」(意訳:何を聞いても平静な気持ちになった)。孔子は心地よいことだけを耳にするという幸運に恵まれていたのでしょうか?
漢字の紐解き「極」
古代、「極」は家を支える大切な梁(はり)を意味し、木偏(きへん)に「亟」という文字から構成されています。「亟」の中央はまっすぐに立つ人、上の横棒は頭、下の横棒は足の下にあるものを示し、最高と最低の位置を象徴しています。古代家屋の建築に使われた主要な木造の梁を表しています。
漢字の紐解き「龍」
東洋の龍は、西洋の、いわゆる「火を吹く空飛ぶドラゴン」とは異なることをご存知でしたか?東洋の龍は、うさぎの眼、鹿の角、牛の口、ラクダの頭、二枚貝の腹、虎の掌、鷲の爪、魚の鱗、蛇の体を持っています。
漢字の紐解き「郷」
唐の時代の著名な詩人、王維の『九月九日山東の兄弟を憶う』という詩に下記の下りがあります。
独在異郷為異客(独り異郷に在って異客と為り)
毎逢佳節倍思親 (佳節に逢う毎に倍ます親を思う)
(私は異郷の地の寂しい異邦人。祝い事の日には親兄弟を思う気持ちが倍増する)
漢字の紐解き「寒」
「寒」の文字について考察してみましょう。
古代の形象文字では、屋根を表すウカンムリ(宀)の下に四束の藁に囲まれた人、つまり藁布団(わらぶとん)と人が描かれていました。下部の二本線は凍った水を意味します。古代中国には暖房設備は普及しておらず、藁布団で暖をとりました。ですから「寒」は、一年で一番寒い時期を示しています。
漢字の紐解き「志」
中国史の様々な時代の英雄たちを神韻では取り上げています。 例えば、 国外からの侵略に対して国を護り「忠」とは何かを示した将軍・岳飛、全ての衆生を苦しみから救いたいと願った済公和尚、佛道を修めることを望んだ孫悟空など、皆、出生も志も異なり、性格も様々です。
漢字の紐解き「舒」
今回の漢字はあまり日本では使われない文字です。「舒」は、伸びやかで楽しく、気持ちがゆったりとしていることを意味します。心地の良い生活とは、必要不可欠な物があることだと思う人もいれば、愛情や褒め言葉を常に受けることだと思う人もいます。中国古代では「心地よさ」をどのようにとらえていたのでしょうか。この「舒」の成り立ちから考察してみましょう。
漢字の紐解き「琴」
古代中国の人々は音楽をとても高尚なものとしていました。このことは、琴への思い入れからも窺えます。
漢字の紐解き「寿」
「孝」は古代で重視されていた徳の一つです。古代中国のしきたりによると、 半世紀(50歳)を超える老人には、祝いの席がもうけられました。
漢字の紐解き「学」
子の上の冖(ワカンムリ)は、子供の知能が発達し始めたことを表します。その上の右と左にあるものは「手」に似た形をしています。両手の間には爻があり、古代中国の易占いの書『易経』を示します。つまり「學」の字は子供が左右の手で、宇宙の神秘を探っていく様子を表しています。
漢字の紐解き「朝」
甲骨文字の「朝」は、 月が水平線からゆっくりと消えていく様子と、森の背後から太陽の光が垣間見える様子を表現した静穏な文字でした。現代の文字もこれを反映して、へんは「木」と「日」から成り、つくりは「月」です。
漢字の謎解き「法」
伝説によると、昔、水辺の近くに一角獣が棲息し、悪い人間に出会うとその角で突き刺していました。このため、善人と悪人を見極める必要のあるとき、この一角獣が呼ばれるようになったということです。
漢字の紐解き「武」
神韻でご覧になった太極扇の師や、清の王朝の戦士、少林寺の僧侶たちなどの勇ましい姿が、いまだに目に焼き付いているかと思います。
漢字の紐解き「慧」
「慧」の文字は「智慧」という言葉に使われます。「知恵」と「智慧」の違いについて、考察してみましょう。
漢字の紐解き「悟」
人生は夢幻と昔から言われてきました。佛教では修煉を通してのみ、この幻想から目覚めることができると諭しています。このような目覚めを「悟り」と言います。
漢字の紐解き「鳳」
南部の丘に美しい鳥が棲息しており、その鳥は歌も踊りもでき、頭部、翼、背中、胸部、腹部には漢字の「徳」「義」「禮」「仁」「信」のような文様に覆われているという伝説があります。
漢字の紐解き「和」
物事を成功させるには、「天の時、地の利、人の和」の条件が揃っている必要があると言われています。「天」「地」 は、恵みによるものですが、「人」は私たちの問題です。
漢字の紐解き「玉」
前回の「聖」と同じように、「玉」の中にも「王」という漢字が現れます。「玉」に見られる点は、 国王が正装する際につける魔除けを意味します。
漢字の紐解き「花」
漢字の「花」は実に象徴的です。最古の象形文字では、花の咲く茂みを表していました。現在用いられている漢字は、二つの要素から構成されていて、 草かんむりは植物を示し 、「化」は成長することを表現しています。
漢字の紐解き「聖」
先日「王」の成り立ちについてご説明しました。この王に別の漢字を加えることで、「聖」という文字が生まれます。
漢字の紐解き「花」
漢字の「花」は実に象徴的です。最古の象形文字では、花の咲く茂みを表していました。現在用いられている漢字は、二つの要素から構成されています。草かんむりは植物を示し 、「化」は成長することを表現しています。
漢字の紐解き「王」
ほぼ数百年前の世界では、十万以上の王国が存在していました。つまり、十万人以上の国王がいたのです。古代文明では、国王とはどのようなもの存在だったのでしょうか。
漢字の紐解き「樂」
「樂」には「音楽」「楽しい」という意味があります。多くの中国語の言葉のように象形文字が組み合わされたもので、「幺」「 白 」「木」から成ります。
漢字の紐解き「春」
中国の賢人や学者は春を好みました。かつて孔子は弟子たちに自分の望みを尋ねました。弟子たちは強力な国家を築くよう国王を助け、人々が良い暮らしを送れるようにしたいと答えました。孔子はこれに対して、自分はうららかな春の一日に、澄んだ川で泳ぎ、子どもたちと楽しく歌って過ごすことだけが望みだと語りました。
漢字の紐解き「徳」
いい人になる要素は?ご高齢の方は「徳の高さ」と答えられることでしょう。「徳」とは何でしょうか? 老子は『道徳経』のなかで「相手が自分に優しくても意地悪でも、自分は常に優しくあり、相手が正直でも嘘つきでも、自分は常に正直である」と語っています。
漢字の紐解き「勇」
歴史を通して、この漢字は幾度も構造が変わりました。時代によって「勇」の定義が異なったからです。
漢字の紐解き「濟」
古代中国に「濟」という名の大河がありました。砂や泥の混じる黄河と交流していましたが、「濟」の河水は清らかでした。数世紀にわたり「濟」は信条を曲げない実直さを象徴する河として、人々に尊ばれてきました。
漢字の紐解き「忠」
一見、単純に見える漢字にも、実は深い意味があります。「忠」もその一つです。
漢字の紐解き「信」
儒教の五常(仁、義、禮、智、信)の徳性の中で、高潔さの中核に位置するものが信です。信頼、確信などの言葉に用いられています。偏は「人」、つくりは「言」。