EU、南シナ海巡り中国批判 「平和脅かす」

[北京 25日 ロイター] – 欧州連合(EU)は24日、中国が南シナ海の平和を脅かしていると批判し、同海域での領有権を巡る中国の主張の大部分を否定した2016年の仲裁裁判所の判断に全当事者が従うよう促した。

南シナ海を巡っては、フィリピンが23日、中国の海上民兵を乗せたとみられる多数の船舶がウィットサン礁周辺に停泊している問題に中国側が対処していないとして抗議した。

EU報道官は24日の声明で「ウィットサン礁における中国の大型船の存在を含め、南シナ海の緊張は地域の平和と安定を脅かす」と非難した。

また「地域の安定と国際的なルールに基づく秩序を損なう恐れのある一方的な行為」に強く反対する立場を改めて表明した。

その上で、全ての当事者に国際法に沿って平和的に問題を解決するよう促し、南シナ海での領有権を巡る中国の主張の大部分を否定し、フィリピンの主張を支持する判断を示した16年の国際仲裁裁判に言及した。

中国は、ウィットサン礁に停泊している中国船が平和と安定を損なうとのEUの指摘を否定した。

在EUの中国政府代表部は24日の声明で、ウィットサン礁は南沙(英語名スプラトリー)諸島の一部であり、中国の漁船が同海域で操業し悪天候から避難するのは「妥当かつ合法」だと改めて表明。

南シナ海における中国の主権や権利、利益は「長い歴史の中で国際法に整合的に」形成されたとし、16年の仲裁裁判の判断は「無効」だと主張した。

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