【医学古今】

漢方医学の脈診法

診察器具の進歩とともに、現代の医者が患者の脈を取ることは少なくなりました。脈を取ることがあっても片手の脈を取れば十分であるとして、よほどの事がない限り、両手の脈を取ることはありません。

 しかし、漢方医学では、必ず両手の脈を取って患者の診察にあたります。時に、患者さんからは「先生、左右の脈に違いはありませんか」と聞かれますが、もし単に脈拍の数と不整脈の有無だけなら、両手の脈にあまり違いはありません。漢方医学の脈診法は、それだけに留まらず、両手首の橈骨動脈(とうこつどうみゃく)の部位を寸・関・尺(すん・かん・しゃく)の三関に分けて、左の三関にそれぞれ心、肝、腎と、右の三関にそれぞれ肺、脾、命門を関連づけて、各部位でそれぞれの臓腑機能を測ります。

 更に三関の各部位に浮(ふ)、芤(こう)、洪(こう)、滑(かつ)、数(さく)、促(そく)、弦(げん)、緊(きん)、沈(ちん)、伏(ふく)、革(かく)、実(じつ)、微(び)、渋(じゅう)、細(さい)、軟(なん)、弱(じゃく)、虚(きょ)、散(さん)、緩(かん)、遅(ち)、結(けつ)、代(たい)、動(どう)など24種類の脈を取り分けて、それによって各臓腑機能の強弱、気血の盛衰、邪気の性質、邪気の強さ、邪気の位置、病気の予後などのことを判断します。

▶ 続きを読む
関連記事
年齢とともに落ちにくくなる体脂肪。実は「長時間」より「短時間×高強度」が鍵でした。中高年女性に向けて、脂肪燃焼を効率化するHIITの科学的理由と、無理なく続ける実践法を紹介します。
臨床試験で、乳製品を含む食事の方がヴィーガン食より血糖が安定していた可能性が示されました。食事スタイルと代謝の関係に新たな視点を提示する研究です。
本当の幸せとは何か――地位や影響力ではなく、苦しいときにそっと寄り添ってくれる人の存在かもしれません。心が揺れた週末の出来事から見えた、人生と夫婦関係を見つめ直す一篇です。
健康に良いはずのバナナが、体質や食べ方次第で思わぬリスクに。高カリウム血症の実例から、適量・注意点・おすすめの食べるタイミングまでを解説。滋養を味方にする賢い取り入れ方がわかります。
丙午年は冷えと熱が同時に現れやすく、体の流れが滞りやすいと『黄帝内経』は説きます。冷やしすぎや補いすぎに注意し、流れを整える養生の考え方を解説します。