【歌の手帳】むかし思ふ
むかし思ふ草の庵の夜(よ)の雨に涙なそへそ山ほととぎす(新古今)
歌意「過ぎ去った昔を、この草庵で、ひとり思い起こしている。外は夜の雨。山のほととぎすよ、その悲しい鳴き声で、私の頬に涙を添えてくれるな」。
藤原俊成(ふじわらのとしなり)の名歌といわれる一首です。白居易の詩句「蘭省花時錦帳下、盧山雨夜草庵中」が基盤になっていますが、やはり俊成らしい、しっとりとした心情表現は、和歌ならではのものでしょう。
夜に啼くほととぎすの声は、哀愁を帯びていて、そのまま文学になります。唱歌にも「卯の花の匂う垣根に、ほととぎす早も来鳴きて、忍音もらす、夏は来ぬ」と歌われていますね。
忍音(しのびね)とは、その年に初めて聞く、ほととぎすの声。夏告げ鳥の声です。
(聡)
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