中国天津市のスーパーで女性利用者が顔認証技術システムで支払いを行なっている。参考写真。(AFP via Getty Images)

雲南省瑞麗市、顔認証で感染監視 プライバシー侵害の懸念

中国当局は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染蔓延対策として、ミャンマーとの国境にある雲南省瑞麗市で、個人の健康コードにリンクした顔認証システムを導入した。AFP通信が13日報じた。

中国では中共ウイルス対策として監視が広く行われており、検査結果の記録や市民の追跡にQRコードシステムを採用した最初の国でもある。

同記事によると、瑞麗市の政府関係者は10日、「この新設備によって、同市の住宅地やスーパーマーケット、市場など人通りの多い場所に出入りしようとするすべての人の顔がカメラでスキャンされる」と述べた。

また、同日の雲南省当局の公式ウェイボーで、瑞麗市が開発した「1つのデータベース、1つのコード、1つのプラットフォーム」というシステムの稼働開始を通告した。交通要所、住宅街、スーパーマーケットなど重要エリアに顔認識カメラや検査ゲートを設置し、出入りするすべての人の顔スキャンを行い、そしてこれら市民の基本情報は感染対策システムに保存され、コミュニティグリッドを最小の管理単位としたデータベースが形成されるという。

中国が反体制派や少数民族を弾圧するために、大規模な監視ネットワークを利用することは、「人権侵害につながる」と懸念する声が以前から上がっている。同記事は、アリババが人々の旅行歴やウイルス検査を追跡する健康評価アプリを開発し、そのデータを警察と共有したことなどを例に挙げ、このような監視手法には「プライバシーの問題があるのではないか」と疑問視した。

また、今後感染が落ち着いた時、監視システムは停止するのかと疑問を投げかけた。

当局はデータベースの保存期間について詳しく説明していない。

中国では、口座の開設および解約、モバイル決済、オンライン取引、行政手続き、交通安全検査、出勤・退社など、生活のあらゆる場面で「顔認証システム」が広がっている。これは確実に身元を確認する手段である一方、情報収集の乱用やプライバシー保護への不安も少なくない。

最近も「感染者リスト」に掲載された個人の顔がネットでさらされる事例があった。

中国当局は過去5年間で、2億台以上のCCTVカメラを設置し、「すべての公共の場所をカバー」しているという。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。