2019年11月、中国・武漢のたばこ工場(STR/AFP via Getty Images)

河南省たばこ工場の製造要員、3割が修士号取得者 就職難の深刻化で

中国メディアは最近、中国・河南省のたばこ工場が名門校出身の労働者を多数雇用していると報じた。製造に従事する従業員のうち、3割以上が修士号を持っているという。経済の低迷が続くなか、就職難の深刻さを浮き彫りにした。

たばこ大手の河南中菸工業有限責任公司が4月末に発表したデータによれば、同社の製造要員として採用される人員のうち、多くが中国人民大学、武漢大学、鄭州大学、河海大学など国家重点大学の出身者や修士号取得者であることがわかった。

同社の人事部長は12日、中国メディア「時代週報」に対し、そのような状況は「いたって正常」と述べた。

「製造ラインにはそのような高学歴が必要なのか」という質問に対し、同人事部長は回答を拒否した。

しかし、同社傘下のたばこ工場の職員は、「一流大学の学生らがそう望んでいる。彼ら自身の選択だ」と答えた。

同社のデータによれば、今年採用された新卒者149人のうち、製造ライン以外の職場に配属されたのは14人で、いずれも修士号を取得しており、半数近くが海外の大学出身者だった。残りの135人は傘下の7つのたばこ工場の製造ラインに配属され、うち41人が修士号取得者で、全体の30.37%を占めるという。

また、同社では、製造要員の募集条件に、学歴のほか、大学での専攻に対する要求まで設けているという。

同社タバコ工場の従業員によれば、生産ラインは2交代、3交代制となっているという。製造に3年以上従事しなければ、管理職に応募できないと明かした。

報道によれば、2021年の中国各地の多くの大手たばこ工場では、「大卒以上の学歴」を製造要員採用の条件として設けているという。

中国経済の低迷が続く中、大卒者過剰の状況は深刻化している。大学生の大量失業の状況は数年続いており、ますます深刻化している。

そんな中、多くの大学生は生活のために低スキルの仕事への応募を余儀無くされる。一部の待遇の良い低スキルポストは、人気が高く、競争の目標になっているという。

中国の李克強首相は今年5月12日、国務院常務会議で「現在、中国のフレキシブルワーカーは2億人に達した」と述べた。李氏は、今年の大卒者909万人に「自分で創業する」ことを呼びかけた。フレキシブルワーカーとはパートタイム、出稼ぎ労働者(農民工)、フリーランス、複数の仕事を掛け持ちする若者を意味する。

(翻訳編集・李凌)

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