米国 中国製ドローン規制を強化へ DJI既存機種も販売禁止の可能性

2026/08/12 更新: 2026/08/12

米連邦通信委員会(FCC)は8月3日、特定の「軍用級」外国製ドローンシステム(UAS)と主要部品について、すでに認証済みの機種にも輸入・販売禁止を適用する案を正式に公表し、一般からの意見募集を始めた。外国製、とりわけ中国製ドローンへの規制を、新製品の認証だけでなく既存機種にも広げる動きとなる。

FCCはこれに先立つ7月21日、「DA 26-758」とする公開通知を発表し、外国製ドローンの輸入・販売規制をさらに強化する案について、関係者から意見を募っていた。

一方、信頼性が確認された一部のドローンと主要部品については、規制の適用除外期間を延長し、米国内のドローン製造産業を支援する措置も講じた。

FCCは8月3日、この提案を政府官報「Federal Register」に正式掲載した。これにより、意見公募手続きが始まった。

提案では、LiDAR(光を使って距離や形状を測定する技術)や熱画像センサー、自動ドッキングステーションなどを搭載する一部の外国製ドローンを、「軍用級ドローン」の対象に含めることを検討している。

FCCによると、次のような特徴を持つ機種が軍用級ドローンに指定される可能性がある。

・熱画像センサーを搭載する機種
捜索・救助や夜間監視、設備点検などに使われる赤外線カメラ搭載機。

・LiDARを搭載する機種
レーザーを使った障害物回避や3D地図の作成などに使われる機種。

・自動ドッキングステーションに対応する機種
自動充電や統合管理機能を備えた設備と連携できる機種。

・薬剤などを散布できる機種
主に農薬散布や種子、資材の散布などに使われる農業用ドローン。

・複数機が連携する「スウォーム」機能を持つ機種
編隊飛行やライトショー、複数のドローンを連携させた軍事作戦などに利用できる機種。

・防御用兵器との統合を想定して設計された機種
特定の防衛装備を追加できるシステム。

・最大離陸重量が55ポンド(約25キロ)以上の機種。

FCCは、LiDARは民間の測量や障害物回避だけでなく、高精度の3D地形図作成、樹木などに隠れた建物や目標物の探知、GPSが妨害された環境での自律飛行、軍事偵察などにも利用できると説明している。このため、軍用級ドローンを判断する基準の一つに加える可能性がある。

一般からの意見募集は9月2日まで。提案が最終的に採用された場合、新たな規則は正式発表から180日後に施行される見通しだ。

中国製ドローン、認証済み機種にも規制拡大へ

FCCは2025年12月、規制対象リスト(Covered List)を更新し、外国製ドローンと主要部品を規制対象に加えた。これにより、対象となる新機種はFCCの機器認証を取得できなくなった。

一方、すでに認証を取得していた既存機種は引き続き販売できるが、多くの新型ドローンはアメリカへの輸入や国内販売ができなくなった。

今回の提案ではさらに踏み込み、すでに認証を取得している一部機種についても、今後の販売を認めない措置を検討している。

新規則が施行された場合、LiDARや熱画像機能を備える中国DJI製の一部機種が、アメリカ市場で販売できなくなる可能性がある。

一部では、DJIの「Air 3S」や「Mini 5 Pro」などの人気機種も影響を受ける可能性があり、純正交換部品の供給にも支障が出るとの見方が出ている。

ただし、現時点の提案は、消費者がすでに購入したドローンの使用には影響せず、保有する機体の飛行を禁止するものでもない。

李皓月
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