欧州西部の洪水、死者少なくとも44人 多数が行方不明
[シュルト(ドイツ) 15日 ロイター] – 欧州西部で記録的な豪雨により洪水が発生し、ドイツでは15日までに少なくとも42人が死亡、数十人が行方不明になっている。被害を受けた町では家屋が倒壊し、住民が屋根の上に取り残されるなどしている。
ワイン産地として名高いラインラント・プファルツ州のアールヴァイラーでは、ライン川支流の堤防が決壊し、18人が死亡し、多数の行方不明者が出ている。
同州の町シュルトでは、倒壊した家屋の残骸や倒木などで道路が寸断されている。
ボン南部のオイスキルヒェンでも15人が死亡したという。
ライン川流域では24時間の降水量が観測史上最多となり、ノルトライン・ヴェストファーレン州の主要都市ケルンやハーゲンなどで洪水が発生している。ゾーリンゲン、ウンナ、ラインバッハなど州内の複数地域で死者が出ている。
また、洪水の影響で、約20万世帯で大規模な停電が起きている。
兵士や救援隊、警察が救助作業に当たっており、戦車を投入して道路に流れ込んだ土砂や倒木の撤去が行われているほか、ヘリコプターが屋根の上に取り残された住民の救助に当たっている。
訪米中のメルケル独首相はバイデン米大統領との共同会見で「多くの人々が苦しんでいる大惨事に衝撃を受けている」とコメントし、遺憾の意を表明。打撃を受けた地域の再建支援を約束した。バイデン氏も哀悼の意を示した上で、「われわれも復興を支援する」と述べた。
隣国ベルギーでも豪雨で洪水が発生。2人が死亡、1人が行方不明となっている。
下流のオランダでも河川の氾濫によって南部で多くの住宅に被害が出ている。
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