一卵性双生児は外見だけでなく、体型や動作、声も似ており、まるで自分のコピーのようです。
同じ服を着て、同じような格好をしていた場合、誰が誰だかわからなくなってしまうでしょう。
では、もし双生児がコピーのようなものであれば、指紋も同じになるのではないかと疑問に思う人もいるのではないでしょうか? 指紋は本人識別に使うことができるのでしょうか?
Live Scienceのウェブサイトよると、双子は遺伝的にはほぼ同じですが、完全に同一なDNAを持っているわけではないため、指紋も同じにはなりません。
英国シェフィールド・ハラム大学の法医学者で指紋の専門家であるシモーナ・フランセーズ氏は、同サイト内で、「双子は一般の人よりも共通点が多いが、指紋は異なるため、十分に本人を識別できます」と述べています。
フランセーズ氏は、世界中の全ての人が異なる指紋をしており、同じ人の指紋でもそれぞれが異なると言います。
また、「2人の人間が同じ指紋を持つ確率は約640億分の1です。 未だに同一な2つの指紋が確認されたことはありません」とも述べました。
しかし、もし双子のDNAがほとんど同じであれば、なぜ彼らの指紋は2人を区別できるほど違うのでしょうか?
フランセーズ氏は、指紋の生成に影響を与える要因はDNAだけではないと説明しました。 指紋の形成には、胎内のさまざまな環境要因も関係しています。
フランセーズ氏によると、胎児の指紋は母親の妊娠13週から19週の間に形成されるそうです。 子宮の中での胎児の位置、栄養状態、へその緒の長さなど、すべてが指紋に影響します。
また、フランセーズ氏によると、双子が生まれた後、皮膚の状態、傷、火傷などといった、他の要因が指紋に影響を与えることもあるそうです。
稀に見られる例として、薬による治療で指紋のパターンが永久的または一時的に変化することもあるといいます。
(訳:神谷一真)
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