中国湖南省平陽県の小学校内のクラスの様子(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)

中国、教育サービス企業16万社倒産 途方暮れる従業員と保護者

中国当局による塾業界への締め付けで、多くの企業が倒産した。このほど、子供向け英語教育サービス大手、四川省愛貝斯教育諮問集団有限公司(以下は愛貝斯)の経営者らが行方をくらましたことがわかった。同社は受講生に授業料を返還せず、従業員の給料も支払っていないという。

愛貝斯は8月26日、ネット上で同社が経営難に陥ったという噂について否定する声明を出した。28日の声明では、従業員の給料未払い問題を認め、謝龍会長と唐緯翎社長と連絡を取れない状況にあると示した。謝龍会長が「荷物を持って車で自宅を出た」と明かした。

同社は2013年11月に設立し、四川省成都市に本社を置く。四川省、雲南省、貴州省など、中国の西南部に英語スクールを展開している。2020年には、スクール数は100校、受講生5万人以上、教職員2000人まで規模を拡大した。

成都市の本社で勤務する韓さんは6日、「会社は4月から、給料は週払いとなった。しかし6月以降、給料が全く支払われていない」と大紀元に語った。

中国当局は7月24日、小中学生の宿題と学習塾などの学外教育の負担を減軽する、いわゆる「双減」政策を正式に発表した。これ以降、国内学習塾大手の上海啓文教育や巨人教育などは相次いで倒産した。

中国紙・証券日報2日付によると、今年に入ってから9月1日まで、学習塾関連企業の法人格消滅件数は16万件となった。昨年同期と比べて26.5%増えた。

韓さんによると、愛貝斯の社員らは未払い分の賃金などのため、当局に対して労働仲裁を求めている。行方をくらました謝会長らについて地元の警察に通報したという。

同氏は、双減政策について「全くこの業界で働く者のことを考えていない」と多くの失業者を出したことを非難した。

社員の韓さんによると、このほど本社にはほぼ毎日、各地から大勢の保護者が集まり、授業料の返還を要求している。

四川省綿陽市の女性市民、賀さんによると、スクールの授業料は2年間で一括9800元だった。「今年6月に会社が授業料を見直して、小学6年生まで(12歳まで)ずっと同じスクールに通うと約束すれば、授業料はまとめて1万6000元を払えばいい。この料金が安かったため、多くの保護者が子供のために申請した」

賀さんは、「授業料はもう戻ってこないとほぼ諦めている」と肩を落とした。

(翻訳編集・張哲)

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