会談を行う萩生田光一経産相(経済産業省より、11月5日)

萩生田経産相、米商務長官と電話会談 米国の鉄鋼・アルミ追加関税撤廃を求める

萩生田光一経済産業相は日本時間の5日、米レモンド商務長官と電話会談し、鉄鋼とアルミニウムの輸入に対する追加関税問題の解決を強く求めた。米国はすでにEUとの間で一部撤廃の合意に達しており、来年1月より開始する。レモンド長官は記者会見で、「関税を撤廃したい」と述べ、問題解決に意欲を示した。

鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する追加関税は米通商拡大法232条に基づき、トランプ前政権が安全保障上の政策として2018年3月以降に始めたもの。日本、中国、EUからの鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の関税を上乗せした。中国の過剰生産を念頭にしている。

米国とEUは10月末、バイデン大統領の欧州訪問中に共同声明を発表し、鉄鋼・アルミニウムの輸入に対する追加関税について、一定数量まで追加関税を課さないとする関税割当を導入することで合意した。EUも米国からの輸入に対して課していた報復関税を停止する。開始は2022年1月1日を予定している。

▶ 続きを読む
関連記事
トランプ大統領は、高度人材向けの新ビザ「ゴールドカード」の売上が約2,000億円に達したと発表した。100万ドルで居住権を販売し、収益を国家債務返済に充てる。高学歴層の確保と不法移民抑制を狙う
トランプ大統領が軽自動車(Kei cars)生産を許可する決定を下した。CAFE基準の撤廃と小型車推進は、メーカーに低価格車の製造を促し、消費者支出1,090億ドルの節約につながる可能性がある
アメリカ中小企業庁は、企業支援制度で不正が広がっているとして、4300社以上に財務記録提出を命じた。政府全体で大規模監査を進め、問題企業の排除と説明責任の強化を図る
トランプ大統領は11月27日、関税政策で得た巨額収入により今後数年で所得税を大幅削減、または完全廃止する可能性を示唆した
海底ケーブル切断リスクに備え、宇宙空間に「バックアップのインターネット」を築こうとするガンリー氏。中国共産党との法廷戦、企業への圧力の実態に迫る