川崎重工とエヌビディア シリコンバレーにAIロボティクスセンター開設

2026/05/25 更新: 2026/05/25

川崎重工業は5月23日、エヌビディアとの提携により、シリコンバレーにフィジカルAI開発センターを設立すると発表した。

フィジカルAIとは、現実環境において自律的に認識・推論・判断を行うAIマシン、すなわちロボットやその他の自律機械を指す。

川崎重工の橋本康彦社長兼CEOは「この場所をグローバルパートナーシップの出発点としたい」と述べ、「私たちが目指すのは、人に取って代わることではなく、人間の判断と行動を安全かつ効率的に支えるフィジカルAIの実現だ」と強調した。

同センターの開所式は23日(現地時間)、サンノゼで開催され、エヌビディア、アナログ・デバイセズ、マイクロソフト、富士通の各社代表者および日本政府機関の関係者が出席した。

「川崎フィジカルAIセンター・サンノゼ」と命名された同センターについて、橋本氏は当初の重点分野として医療・高齢者ケアを挙げた。少子高齢化と労働力不足が世界共通の課題であることをその理由として説明した。

同氏は、フィジカルAIとロボティクスの融合を通じ、同センターが来院から診察・診断・治療・手術・術後ケアまでの院内体験全体をカバーする「病院ワンストップソリューション」の実現を目指すと説明した。

「最も重要なのは、これらのソリューションが現場に根付き、継続的に活用され、医療の質向上に貢献することだ」と橋本氏は語った。

同氏はまた、フィジカルAIとロボティクスの統合を多様な産業分野に幅広く展開する方針も示した。「このセンターには、AI、半導体、ソフトウェアの各分野のパートナー、そして顧客の現場課題を熟知する人々が集結する」と述べた。

エヌビディアの創業者兼CEOジェンスン・ファン氏は、川崎重工がAIの学習とシミュレーションにエヌビディアのシステムを活用し、「オムニバース」と「アイザック・ラボ」の両プラットフォームを用いてロボットを仮想環境でテストしてから実環境に投入すると説明した。

「近い将来、人工汎用ロボティクスが実現する。動くものすべてがロボット化される。機械は物理的な世界を理解し、人間の周囲で安全に動作・作業するようになるだろう」とファン氏は述べた。

同センターのロボットシステムのAI処理にはエヌビディアの「ジェットソンAI」デバイスが使用される。

「メカトロニクス、コンピューティング、AIは連携して進化しなければならない。だからこそ、このセンターは重要だ。川崎重工のロボット工学の専門知識をシリコンバレーに持ち込み、エヌビディアと近接した環境で協働することで、チームはより密接に連携し、開発スピードを高めることができる」とファン氏は語った。

川崎重工によると、同センターでは自律型サービスロボット「Nyokkey」、屋内配送ロボット「FORRO」、手術ロボットシステム「hinotori」、ロボット四足走行車「CORLEO」など、川崎グループの既存製品との連携も進める。

また同センターは、実用展開の観点から、国内の川崎重工開発拠点および今年3月に稼働を開始したフランスのR&Dイノベーションセンターとも連携していく方針だ。

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