米国 AIで中共の「迂回輸出」摘発へ 40か国超の経由ネットワークを監視

2026/08/14 更新: 2026/08/14

ホワイトハウスは13日、トランプ政権が人工知能(AI)を活用した「探知型国境監視(Detective Border)」システムの開発を進めていることを明らかにした。中国共産党政権が第三国を経由して米国の関税を回避する「迂回輸出」の摘発を強化する狙いがあるとみられる。

ホワイトハウスの貿易・製造業政策局は同日、「大規模な迂回輸出詐欺(The Great Transshipment Scam)」と題する報告書を公表。報告書は、40カ国以上が中共の「影の迂回輸出ネットワーク」の一部となり、中共による米国関税の不正回避を助けていると指摘している。

報告書によると、中国など高関税国の輸出業者は、米国が国ごとに異なる関税を設定していることを利用し、商品をいったん関税の低い国へ輸送した上で、米国市場に送り込むことができる。

中国の輸出業者は近年、第三国を経由して貨物を輸出するケースを増やしているという。これまで中国から直接米国へ輸出されていた製品が第三国を経由し、現地で簡単な組み立てや仕上げ、再包装、ラベルの貼り替え、書類の変更などを行うことで、原産国を隠そうとする手法である。

こうした手法が長年にわたって繰り返された結果、生産拠点や物流拠点、自由貿易区、保税倉庫、加工回廊、再輸出拠点などを含む世界規模のネットワークが形成されたと報告書は指摘している。

AIを活用したサプライチェーン企業Exigerの推計では、昨年2月から昨年2月までの1年間に、違法な迂回輸出の総額は750億ドルに達した。これにより米国が失った関税収入は190億〜340億ドルに上るとしている。

ホワイトハウスは、メキシコやカナダ、インド、日本、韓国など40か国以上について、違法な迂回輸出のリスクが高いと指摘している。これらの国で中国からの貨物を米国へ迂回輸出することで、中国側が米国の高関税を回避するのを助長している疑いがあるためだ。米国はこれらの経由国に対し、中国より低い関税率を適用している。

ホワイトハウスの貿易顧問ピーター・ナバロ氏は13日、ブルームバーグテレビのインタビューで「これは基本的に、世界各国に対する警告だ。米国を欺こうとしてはいけないということである」と述べた。

ナバロ氏はさらに、「何年にもわたり、この大規模な迂回輸出詐欺によって共産主義中国は40か国以上に輸出する商品を偽装し、米国の国庫から数百億ドルを奪い、米国労働者の賃金も奪ってきた」と批判した。

報告書は、「大規模な迂回輸出詐欺」への戦略的対応として、AIを活用した「探知型国境監視」システムの概要も示した。

このシステムは、違法な迂回輸出を検知・摘発するため、貨物データ、輸送ルートの履歴、商品の分類、企業の所有関係、生産能力に関する指標、異常検知、コンピュータービジョンなど、さまざまなデータや分析手法を統合する。

米国税関・国境警備局(CBP)の取り締まりを支援し、合法的な「ニアショアリング(近隣国への生産移転)」や外国投資と、違法な「経由地を利用した迂回貿易」を見分ける能力を高めることが狙いだ。

さらに、リスクの高い貨物を特定し、分析結果を貨物の差し止めや関税徴収、制裁、輸入拒否などの具体的な執行措置につなげることを目指している。

張婷
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