研究:授乳したことのある女性は50歳以降の認知能力が高い

授乳したことのある女性は、授乳した経験のない女性に比べて、50歳になったときの認知能力が高いという研究結果があります。 さらに、授乳期間が長ければ長いほど、パフォーマンスは向上します。

モリー・フォックス博士は我々の研究では、母乳育児が人生の後半で「神経保護効果」を持つ可能性を示唆していると述べています。 

フォックス博士は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の人類学・精神医学・生物行動科学科の助教授です。彼の研究は母乳育児が女性の健康に与える長期的な影響を調べた数少ない研究の一つです。

母乳育児は、ストレスを調整し、乳児との親密な関係を促進し、産後うつ病のリスクを低減することがわかっているため、(母乳育児は)母親の鋭い神経認知に有益な効果があることを示唆しており、長期的には認知能力の向上にも関連しているのではないかと推測されています。

今回の研究では、50歳以上の女性115名を対象に、学習テスト、遅延記憶テスト、実行機能テスト、処理速度テストなどの認知機能に関する一連のテストと、妊娠回数や授乳期間などに関するアンケートを実施しました。

研究者たちは、授乳の女性は非授乳の女性に比べて、これらのテストの成績が良かったことを発見しました。 また、授乳期間が長いほど、成績が向上しました。

フォックス氏は、現代の女性は、昔に比べて授乳回数や授乳時間が減っていることを考えると、授乳が女性に与える健康上の影響をよりよく理解することが重要だと述べています。

さらに、「今後の研究では、女性の授乳歴と、より多くの地理的に多様な女性グループの認知能力との関係を探る必要があるでしょう」と述べています。

この研究は、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者が行ったもので、科学雑誌「Evolution, Medicine and Public Health」に掲載されました。

 

(翻訳・李明月)