米、ウクライナに戦闘機供与否定 事態悪化の「リスク高い」
[ワシントン 9日 ロイター] – 米国防総省は9日、ウクライナに戦闘機を供与すれば、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)間の緊張激化を招くリスクが高いという情報機関の分析を示し、供与に反対する考えを表明した。
ポーランドは8日、自国が保有するロシア製戦闘機「ミグ29」を在ドイツのラムシュタイン米空軍基地に配備し、米国の管理下に置く用意があると表明。ただ米国は同日、この提案を拒否した。
国防総省のカービー報道官は、ウクライナ空軍には任務を遂行できる状態の軍用機があり、ミグ29が追加されても状況はほとんど変わらないと指摘。「ウクライナの防衛を支援する最善の方法は、ロシア軍の侵攻から守るため最も必要とされている兵器とシステムを提供することだ」と述べ、戦闘機以外の防空支援を提供する考えを強調した。
情報機関の分析では、ミグ29のウクライナへの供与は挑発行為との誤解を与え、ロシアが顕著に反応して「NATOとの軍事的エスカレーションのリスクを高める可能性がある」と説明。
「それ故、ウクライナへのミグ29の供与はリスクが高いと分析している」とした。
国防総省は8日に、NATO加盟国から紛争地域に戦闘機を飛ばすことに否定的な見解を示していた。
ロシア国防省は今週、第3国がウクライナにロシアへの攻撃で使う飛行場を提供する場合でさえも、紛争に加わったと見なされる可能性があると警告していた。
米国は既に、ウクライナが求める同国での飛行禁止区域設定に反対しており、これに加え戦闘機の供与にも否定的な立場を示した。
オースティン長官はこの日、ポーランドの国防相と電話会談を実施した。長官は来週、NATO国防相会合に出席するためにブリュッセルを訪問する。
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