心臓病患者は女性と男性どちらが多い? 心臓を健康にする7つの方法
男性と女性の心臓には多くの違いがあり、心臓病の発症率も異なります。どのような人が心臓病のリスクが低いのでしょうか?また、心臓を健康に保つにはどうすればよいでしょうか?
心臓を健康に保つことは簡単なことではありませんが、難しいことでもありません。心臓の機能と構造を理解することは、心臓の健康を守るために何をすべきかを判断する上で重要です。そのためには、自然で効果的な方法を見つけることが重要です。
女性と男性の心臓の違い
男性と女性ではいろいろな面で違いがありますが、これは心臓にも言えることです。例えば:
・女性の心臓の大きさ、および一部の女性の心室の割合は、男性よりも小さくなっています。
・女性は男性より心拍が速いのですが、男性は1回の心拍でより多くの血液を送り出しています。
・一部の女性の心臓は、心室壁が薄く、血管が細いです。
・女性はストレスを感じると、心臓の鼓動が早くなり、血液をより多く送り出すことができます。男性の場合、動脈を収縮させ、血圧を上昇させます。
・血管に溜まったプラークは、心筋梗塞の原因となります。男性の場合、プラークは通常、硬く、心臓の動脈に影響を及ぼします。女性の場合、プラークは比較的柔らかく、通常、1つか2つの主要な動脈に閉塞を引き起こします。しかし、柔らかいプラークは血管壁から剥がれやすく、血流に乗って循環し、心臓病の原因となるのです。
・女性の心臓は、エストロゲンの影響を受けています。更年期の頃になると、エストロゲンは心臓を保護する働きが弱くなり、心臓病のリスクが高まります。
・心臓病は男性の場合、胸が圧迫されるような痛みがあり、女性の場合は背中や上腹部に鋭い痛みがあり、発汗、息切れ、吐き気などを伴うのが一般的です。
・男性の方が心筋梗塞で亡くなる確率が高いです。
・女性の方が動悸を感じやすいです。
・男性は通常、女性よりも若い年齢で心臓発作を起こします。
・女性は男性に比べ、心臓発作後の回復期間が長いと言われています。
安静時心拍数および心拍変動
この2つの概念は、医師から聞いたことがあるかもしれません。エクササイズ・トラッカー(活動量計)や同様のウェアラブル端末をお持ちの方は、この2つの言葉を見たことがあるのではないでしょうか。これらはどういうことなのでしょうか?
安静時心拍数とは、安静にしているときに心臓が1分間に何回拍動しているかを示す数値です。これは、心臓が体に必要な酸素を供給するために、最も少ない量の血液を送り出している時です。Women’s Health Initiativeによると、心拍数は1分間に60~100回が正常で、この範囲であれば、心拍数が低い女性の方が心臓発作を起こす可能性が低いと言われています。
2009年にBMJ(British Medical Journal)に掲載された研究では、閉経後の女性12万9135人を対象に調査を行った結果、安静時の心拍数が毎分76回以上の女性は、62回以下の女性に比べて、心臓発作を起こしたり、死亡したりする確率が26%も高いことがわかりました。
心拍変動は、各心拍の時間間隔の変化を示す指標です。これをコントロールしているのが自律神経系です。また、自律神経は血圧、心拍数、呼吸などの重要な身体指標を管理しています。従来、心拍変動は心電図で測定していましたが、手首や胸に装着するウェアラブルデバイスにより、いつでもどこでも測定が可能になりました。
一般に、不安やストレスを感じる状況で、心拍変動は小さくなります。人はリラックスしているとき、心拍変動が大きくなります。したがって、心拍変動が大きい人は、心臓が健康で、ストレスに対処しやすいと考えられます。
自然に心臓の健康を増進し、心臓病を予防できる方法は何でしょうか?
良いことに、いくつかのライフスタイルを変えることで、時には薬を飲まずに心臓の健康を改善し、心臓発作を予防することができるということです。心臓を守るには、まず食事と生活習慣を改善することが大切です。
1.糖分の摂取を控える
糖分の摂りすぎは肥満になると思っているかもしれませんが、心臓病の原因になることもあるのです。2014年にJAMA(Journal of American Medical Association)で発表された15年間の研究では、砂糖の過剰摂取と心臓病の関係について調べました。この研究では、1日にカロリーの25%以上を糖分として摂取する人は、1日にカロリーの10%未満を糖分として摂取する人に比べて、心臓病で死亡するリスクが2倍であることがわかりました。
2.健康的な食生活を心がける
US News and World Reportによると、最も心臓に良い食事は、地中海式ダイエット、オーニッシュ・ダイエット(ベジタリアン食)、DASHダイエットだそうです。
3.十分な睡眠を確保する
1日に7~9時間の睡眠をとることが、心臓の健康や全身の健康にとって最も良いとされています。2010年にCurrent Cardiology Reviewsに掲載された研究では、睡眠不足は冠動脈疾患や心血管疾患のリスクを高めると結論づけています。
4.サプリメントを摂取する
心臓の健康に最も有益なサプリメントの1つが熟成ニンニクエキス(略称:AGE)です。AGEは、血管内のプラークの蓄積を防ぎ、逆に動脈硬化の進行を遅らせ、収縮期および拡張期血圧を大幅に下げ、総コレステロールと低密度リポタンパク質(LDL、一般に悪玉コレステロールと呼ばれる)のレベルを低下させることができます。その他、心臓に良いサプリメントとして、コエンザイムQ10、マグネシウム、オメガ3脂肪酸、食物繊維、緑茶などがあります。
5.適度な運動
筋肉が丈夫で健康であるためには運動が必要ですが、心臓も例外ではありません。程よい有酸素運動を毎週150分以上行い、できればウェイトトレーニングも行いましょう。しばらく運動をしていない人は、まず医療従事者に相談してください。
6.過食に注意
食べ過ぎは消化器官だけでなく、心臓にも負担がかかります。食べ過ぎると、不整脈や心拍が早くなり、心筋梗塞のリスクが高まります。
7.常に冷静さを保つ
アメリカ心臓協会は、慢性的なストレスは心臓病につながると警告しており、2017年にThe Lancetに発表された研究では、ストレスは血圧を上昇させ、心血管疾患の症状を引き起こすリスクを高めることが示されました。瞑想、ウォーキング、ビジュアライゼーション(将来の自分をイメージする瞑想)、ダンス、ヨガ、太極拳、深呼吸、ジャーナリング(書く瞑想)など、日常生活の中でストレス軽減に役立つ活動に取り組むとよいでしょう。
結論
心臓の特性を理解し、健康的なライフスタイルを守り、血圧、心拍数、コレステロール、血糖値を定期的にチェックすることで、ほとんどの女性は自然な形で健康な心臓を維持することができます。
(翻訳・香原咲)