林外相、フィジーとパラオ訪問 中国の進出めぐり懸念を共有
林芳正外相は6日から8日まで太平洋の島国フィジーとパラオを訪問し、首脳と会談した。中国とソロモン諸島が締結した安全保障協定について懸念を共有すると、両国からは同様の見解が示された。米国などと連携し、日本の強みであるインフラ整備を通して「自由で開かれたインド太平洋」の実現に取り組む考えを示した。
太平洋島しょ国は日本にとって長年の友好国であり、戦略的に重要な地域だ。日本の外相が両国を訪問するのは3年振り。林氏は滞在期間中、フィジーのバイニマラマ首相兼外相や太平洋諸島フォーラム(PIF)のプナ事務局長、パラオのウィップス大統領そしてアイタロー国務大臣と会談した。ロシアによるウクライナ侵略によって国際社会の根幹が揺らぐなか、基本的価値を共有する国々の結束が重要であるとの認識を共有した。
林氏はソロモン諸島と中国が4月に締結した安全保障協定について、「地域の安全保障環境に大きな影響を及ぼし得る問題」であるとの懸念を共有した。これに対し島しょ国側からも同様の認識が示され、関係国で緊密に連携していくことを確認した。ソロモン諸島と中国との間の安全保障協定をめぐって、米国とオーストラリアは中国軍の軍事施設が建設される可能性を強く危惧している。ホワイトハウスは4月22日付の声明で、同協定が「事実上の恒久的な軍事的プレゼンス、戦力投射能力や軍事施設を確立するための措置が講じられれば、それ相応の対応をするだろう」と中国とソロモン諸島を牽制した。
関連記事
高市首相は訪中直後のトランプ米大統領と電話会談を実施。中国を巡る経済・安全保障課題やイラン情勢について協議し、日米の緊密な連携と同盟関係を再確認した
米国のベッセント財務長官が来日し、高市首相や閣僚らと会談。トランプ大統領の訪中を前に、重要鉱物の確保や最新AI、イラン情勢への対応など、中国を念頭に置いた日米の経済・安全保障政策のすり合わせが行われた
G7はレアアースおよび加工工程における中国の支配を打破する必要性で一致したが、専門家は欧米の能力再建には数年を要すると指摘している
米FBIのパテル長官は原和也内閣情報官と会談し、高市政権が進める「国家情報局」新設への歓迎と連携強化を表明した。サイバー防衛や防諜、テロ対策の分野で日本を全面的に支援し、日米の情報連携をさらに強固にする姿勢を示している
グラス駐日米大使が、高市政権の外交を「安倍氏の遺産を発展させたもの」と絶賛。提唱から10年を迎えた「自由で開かれたインド太平洋」構想を軸に、日米同盟の深化と中国への抑止力強化が進む現状を解説