林芳正外相はウィップス・ パラオ大統領を表敬した(外務省)

林外相、フィジーとパラオ訪問 中国の進出めぐり懸念を共有

林芳正外相は6日から8日まで太平洋の島国フィジーとパラオを訪問し、首脳と会談した。中国とソロモン諸島が締結した安全保障協定について懸念を共有すると、両国からは同様の見解が示された。米国などと連携し、日本の強みであるインフラ整備を通して「自由で開かれたインド太平洋」の実現に取り組む考えを示した。

太平洋島しょ国は日本にとって長年の友好国であり、戦略的に重要な地域だ。日本の外相が両国を訪問するのは3年振り。林氏は滞在期間中、フィジーのバイニマラマ首相兼外相や太平洋諸島フォーラム(PIF)のプナ事務局長、パラオのウィップス大統領そしてアイタロー国務大臣と会談した。ロシアによるウクライナ侵略によって国際社会の根幹が揺らぐなか、基本的価値を共有する国々の結束が重要であるとの認識を共有した。

林氏はソロモン諸島と中国が4月に締結した安全保障協定について、「地域の安全保障環境に大きな影響を及ぼし得る問題」であるとの懸念を共有した。これに対し島しょ国側からも同様の認識が示され、関係国で緊密に連携していくことを確認した。ソロモン諸島と中国との間の安全保障協定をめぐって、米国とオーストラリアは中国軍の軍事施設が建設される可能性を強く危惧している。ホワイトハウスは4月22日付の声明で、同協定が「事実上の恒久的な軍事的プレゼンス、戦力投射能力や軍事施設を確立するための措置が講じられれば、それ相応の対応をするだろう」と中国とソロモン諸島を牽制した。

▶ 続きを読む
関連記事
2026年5月、広島市で32年ぶりとなる「第48回南極条約協議国会議(ATCM48)」が開催される。気候変動や活発化する南極観光活動への対応など、未来志向の南極条約体制強化に向けた議論が行われる
国連で進む沖縄の「先住民族」認定と植民地化工作に対し、日本沖縄政策研究フォーラムがジュネーブで真実を訴えた報告会の内容を詳報。特定勢力の狙いと、日本の主権を揺るがす脱植民地化特別委員会(C24)を通じた新たな危機に迫る
政府は4月21日午前の閣議と国家安全保障会議(NSC)で、防衛装備移転三原則と運用指針を改定。これまで厳しく制限してきた殺傷能力を有する装備品についても、一定の条件下で輸出を可能とする方向へと大きく舵を切る
4月21日に行われた高市首相とシェインバウム大統領の電話会談では、中東情勢を受けたエネルギー供給の協力や、豊富な鉱物資源をめぐる経済安全保障の新たな対話枠組みといった重要テーマが話し合われた
中国が東シナ海の日中中間線西側で新たな構造物の設置を開始したことが確認され、日本政府は強い抗議を表明した。東シナ海では排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の境界が未画定のままで、中国が一方的な開発を進めていることについて、日本政府は「極めて遺憾」としている。