耳鳴りは「耳鳴(じめい)」とも言い、中国語でも同じ漢字で表記します。
「耳鳴り」を招く7つの原因
いずれも実際には鳴っていない音が、耳のなかで聞こえてしまう現象です。
耳鳴りは、ときに体調を崩すような不快感をともないます。また、重大な病気の兆候である場合も考えられるので、早急に原因を確かめて、適切に対処するようにしましょう。
淮元漢方医学診療所の医師・許騰鴻氏は、「先天性の要素を除けば、耳鳴りは老化、環境からの影響、心理的なもの、病気など、さまざまな原因によって起こります」と言います。
不快な「耳鳴り」を招く要因として、以下の7つが考えられます。
1、血管または聴覚神経の病変
耳に近い血管に異常な腫瘤が生じる、あるいは聴覚神経に良性の腫瘤が生じることで、耳鳴りを起こすことがあります。
この耳鳴りは、通常片側の耳に起こり、頭痛など他の症状も伴いやすいとされます。
頭部や頸部の血管の種瘤、あるいは聴覚神経の腫瘤は、放置すると生命の危険にもつながります。例えば、脳の血管内の腫瘤は脳出血を引き起こす可能性がありますので、異常な耳鳴りを感じたら、早急に医師の診察を受けてください。
2、騒音環境に長時間いる
長時間にわたり騒音の環境にいることも、耳鳴りの原因になります。
重篤な場合は、内耳の聴覚器官がダメージを受けることで長期的に耳鳴りが続き、回復が困難になることもあります。
3、聴覚器官の老化
加齢とともに自然に聴覚受容器が老化して、耳鳴りを起こしやすくなります。
長期にわたって騒音環境にいる人は、聴覚器官の老化も早まります。
4、過労や夜更かし
徹夜などで過労が重なったため、聴覚に異常が起きる場合があります。
この場合、耳鳴りのほかに、耳栓をしたわけでもないのに閉塞感があり、音が遠く隔てられたように感じます。
このような人では、特定の時間帯に耳鳴りが起こることが多いと言います。夜勤の人、交代制シフト勤務の人、あるいは夜更かしぐせがついて昼夜逆転した人などは、午後過ぎから夕方ごろに耳鳴りが起こりやすくなります。
病気が原因でない耳鳴りは、疲労回復のため、十分に休養をとるようにしてください。
5、メニエール病
メニエール病は、激しい回転性めまいのほか、難聴や耳鳴りが起こります。
メニエール病による耳鳴りは、片耳に起こることが多いとされています。
回転性めまいが起きると、悪心や嘔吐にいたることもあります。突然発症しても慌てず、安全な場所で症状が治まるのを待ってから、適切な医療措置を受けてください。
6、アレルギー性鼻炎など
耳と鼻、さらには食道までつながっているため、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、胃食道逆流が原因となって、突発性の耳鳴りを引き起こすことがあります。
例えば、胃酸が咽頭部まで逆流し、それが耳に達して軽度の中耳炎を起こした場合も、耳鳴りを起こすことがあります。これらの炎症が治療されれば、耳鳴りも消えます。
7、突発性難聴
突然音が聞こえにくくなる突発性難聴の原因は、不明です。
ウイルス感染や過度のストレス、睡眠障害、抗生物質の副作用などが原因とも言われていますが、まだ解明されていません。
患者は聴力が突然低下して難聴となるほか、耳鳴りも起きます。大半の症例は片側の耳の異常ですが、まれに両側の耳に起きることもあります。
(次稿へ続く)
(翻訳編集・鳥飼聡)
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