岸信夫防衛相(左)は11日、日米韓防衛相会談に参加した。(防衛省提供)

日米韓防衛相会談、台湾海峡の平和と安定を強調

シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)に出席中の岸信夫防衛相は11日、米国のオースティン国防長官、韓国の李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防相と会談を行った。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への共同対処を議論し、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。

会談では、北朝鮮の大量破壊兵器および弾道ミサイル開発について、国際的な平和と安定に対する重大な脅威であるとの深い懸念を共有した。3カ国によるミサイル警戒訓練や弾道ミサイルの探知・追尾訓練を実施することなど、活動を具体化することを議論した。

北朝鮮は今年、33発ものミサイルを発射している。7日の8発の発射に対抗して、米軍と韓国軍はミサイルを発射し、日米は戦闘機やミサイル対処等の共同訓練を行なった。

中国共産党の脅威を念頭においた議論も行われた。会談後発表された共同声明では、「現状変更を試み、緊張を高めるいかなる一方的な行動にも強く反対する」と表記された。台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、「ルールに基づく国際秩序に合致しない活動」について懸念を共有した。また、すべての紛争は、国際法の原則に従って、平和的手段により解決されるべきであることを確認した。

12日に行われた日中防衛相会談において、岸防衛相は「台湾海峡の平和と安定は我が国のみならず、国際社会にとっても極めて重要である」と強調。中国の海軍および空軍による一連の示威活動について重大な懸念を伝えた。

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