ヨーグルトは牛乳を発酵させて作る乳製品で、腸内環境を整えるだけでなく、ダイエットにも効果があると言われています。ダイエットに効果的なヨーグルトはどの種類で、いつ食べたらいいのでしょうか?どの食材と組み合わせたらよりダイエットに効果的なのでしょうか。
ヨーグルトがダイエットに良いのはなぜ?
ヨーグルトは食事の一部やおやつとして楽しむことができ、ダイエットのために取り入れる人も多いです。
プロバイオティクスの専門家であり、国立陽明大学主任教授の蔡英傑氏によると、ヨーグルトを食べると痩せるのは、ヨーグルトに含まれる次の2つの栄養素のおかげだそうです:
1.プロバイオティクス
ヨーグルト1カップには、約100~200億個のプロバイオティクスという善玉菌が含まれています。これらの善玉菌は、胃腸管に入り、腸内細菌のバランスを整える働きがあります。
「腸内細菌のバランスは、私たちのカロリーやエネルギー代謝に大きく関係しています」と蔡氏は言います。また、肥満は炎症性疾患でもあり、腸内フローラを健全にすることで炎症が抑えられ、エネルギー代謝を助けることができると説明しました。
2. たんぱく質
ヨーグルトはタンパク質が豊富で、満腹感を高める効果があります。
アメリカのミズーリ大学では、おやつにヨーグルトを食べることで、満腹感を高め、食欲をコントロールし、その後の食事摂取量を減らすことができるかどうかを調査しました。
研究者たちは、高タンパク質のヨーグルト、高脂肪のビスケット、高脂肪のチョコレートという同じカロリーのお菓子を被験者に与えました。その結果、ヨーグルトを食べた人は、高脂肪のスナックを食べた人に比べて、空腹感が有意に少なく、また空腹になりにくく、夕食に食べるカロリーも100kcal少なかったことがわかりました。
ダイエットに良いヨーグルトの種類は?
市販のヨーグルトは、ヨーグルト、ギリシャ風ヨーグルト、ギリシャヨーグルトに分類することができます。その違いは、たんぱく質の量にあります。
ギリシャヨーグルトは、牛乳を発酵させた後、遠心分離機にかけて乳清の一部を取り除いたものです。その結果、ギリシャヨーグルトはタンパク質濃度が高い反面、カロリーも相対的に高くなります。
ギリシャ「風」ヨーグルトとギリシャヨーグルトは全く別のものです。ギリシャ風ヨーグルトは、製造工程で濃縮されておらず、ギリシャヨーグルトのような食感を出すために後から増粘剤を入れているだけです。したがって、ギリシャ風ヨーグルトと通常のヨーグルトの栄養価に差はありません。
ヨーグルトのダイエットへの主な働きは善玉菌によるものなので、どんな種類のヨーグルトでも効果はあると蔡氏は言います。ギリシャヨーグルトは良質なタンパク質が多く、カロリーも高いので、摂取量に注意することが大切です。
ヨーグルトに添加される菌の種類もダイエット効果を左右します。
一部の国、特に日本では、ヨーグルトやヨーグルト飲料に含まれる菌種によって、その製品がプロバイオティクスか非プロバイオティクスかが決まります。台湾では、パッケージに「Little Green Man」のロゴがあるかどうかが重要なポイントになります。機能性菌種は体内の炎症を抑える効果が高く、当然ダイエットにも効果的だからです。
牛乳の発酵によく使われる菌は、ストレプトコッカス・サーモフィラスとラクトバチルス・ブルガリクスです。この2つの菌は、良質なヨーグルトやヨーグルトドリンクの原料として使われています。
その他の追加菌株は研究結果から、減量に大きな効果があることが証明されている、と蔡氏は説明しました。
2021年10月に『栄養学(Nutrients)』誌に掲載されたレビューでは、乳酸菌とビフィズス菌の株が減量に最も良い結果を示したとされています。
例えば、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・カーヴァタス、ラクチプランティバシルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・アシドフィルス等の乳酸菌が挙げられます。
ビフィズス菌には、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティスなどが含まれています。
ヨーグルトの味は、プレーン、フレーバー(ストロベリーなど)、無糖の中から好きな味を選んでください。しかし余計な香料や砂糖の入ったフレーバーヨーグルトはなるべく避けたいものです。
プレーンや無糖のヨーグルトもありますが、蔡氏はプレーン味や無糖のヨーグルトの落とし穴に注意するよう警告しています。無糖と謳っているヨーグルトの中には、砂糖よりも健康への悪影響が懸念される砂糖代替物(人工甘味料)が添加されているものもあります。
ヨーグルトと合わせて一緒に食べると良い食材はどれ?
良いヨーグルトを選んだら、次はどのように食べればより減量にプラスになるのかお話しします。
蔡氏によると、ヨーグルトをライフスタイルに取り入れるには、朝が最も簡単だそうです。ヨーグルトを朝食に取り入れ、卵や鶏胸肉などの良質なタンパク質と、オートミール、サラダ、ナッツ、フルーツなどのプロバイオティクスを一緒に摂りましょう。
腸内フローラの改善には、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方が必要です。プレバイオティクスとは前生物的な食品のことで、植物性食品に含まれる食物繊維はプレバイオティクスの大きな供給源となります。ヨーグルトには食物繊維が含まれていないため、ヨーグルトにナッツやベリーを加えるとよいでしょう。しかし、これらの食品は通常一度に大量に加えることはできないので、さらに野菜や果物を食べることが重要です。
蔡氏によるとヨーグルトは食前でも食後でも食べられますが、個人的には食前に食べるのがおすすめだそうです。これは、タンパク質が満腹感を与え、インスリンを安定させる働きがあるためです。
また、ヨーグルトも低カロリーではないので、1日1〜2杯で十分だと注意を促しています。ヨーグルトとヨーグルトドリンクの栄養成分に違いはなく、作り方によって固形か液体かの違いだけです。
ヨーグルトもヨーグルトドリンクも要冷蔵のため、冷たいものが飲めない人は、電子レンジで20~30秒加熱したり、水で温めたり、室温に戻したりなど、体温を超えない範囲で少し温めてもよいでしょう。ただし、ヨーグルトやヨーグルト飲料は、加熱または再加熱後すぐにいただきましょう。30分以上放置しないようにしてください。
(翻訳・香原咲)
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