近年、グルテンフリーダイエット(GFD)がよく話題に上がり、グルテンが肌荒れの原因であることが指摘されています。では、本当にグルテンがすべての健康や肌のトラブルの原因なのでしょうか?
グルテンが肌荒れの最大の原因?
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦、一部のオート麦などの穀物に共通して含まれるタンパク質のことです。また、グルテンフリーの食事とは、パン、麺類、パスタ、餃子の皮、パンの皮、ピザ、ケーキ、ビスケット、ビール、アイスクリーム、チョコレート、市販のソースや調味料、さらにグルテンを含む可能性のある一部の食品添加物など、「グルテン」を含む食品を避けることです。
GFDは、もともとセリアック病患者の治療食として考案されたものです。 セリアック病とは、グルテンを含む食品を摂取すると異常な免疫反応が起こり、様々な栄養素が適切に吸収されず、下痢や膨満感、腹痛などの腸の症状や、長期的には栄養失調を引き起こす自己免疫性炎症性腸疾患のことです。
近年、セリアック病ではない人でもグルテンフリーの食事に興味を持つ人が多いようです。皮膚科のクリニックでも、患者から自分の肌トラブルがグルテンと関係しているのではないかと聞かれることがよくあります。
台湾の美之道皮膚科クリニックの邱品齊院長は、ある患者さんから「ニキビや酒さ(しゅさ)を治すには辛いものや揚げ物、グルテンをやめなければならないと聞きましたが、では何を食べたらいいのでしょうか」と聞かれたそうです。
それに対して邱品齊氏は、「実は多くの人が、自分にあっているのかも分からないまま、グルテンダイエットはいいという言葉を信じて実行しています。ニキビを例にとると、同じものを食べても、ある人にはニキビができるが、ある人にはできない、ということがあります。皮膚は人それぞれ異なるのです」と答えました。
さらに、邱品齊氏は、「食品には肌の状態に影響を与える様々な成分が含まれていることが多く、必ずしもグルテンそのものが問題であるとは限りません。例えば、グルテンを抜くと、パンやビスケット、ケーキなど、グルテンを含む加工食品に含まれる添加物や脂肪、精製糖の摂取が減るため、肌の調子が良くなる人もいます」と言います。
美肌にするためには、まずこれらの食品を控えましょう
邱品齊氏によると、多くの肌トラブルは、実は欧米化された偏った食事に関係があると分かりました。例えば、パン、ビスケット、ケーキなどの超加工食品を食べたり、乳製品を摂りすぎたり、高カロリー、揚げ物、塩分、糖分の多い食品を摂りすぎる、などが挙げられます。
不適切な食生活の結果、肌の衰えが心配な場合、推奨される食生活の順序は次のとおりです。
第1段階:高脂肪、揚げ物、スパイシーな食べ物を控える。
第2段階:甘い飲み物、乳製品、超加工食品の摂取を控える。
第3段階:グルテンを含む食品を減らす。
第1段階と第2段階では、超加工食品の摂取を減らすことに重点を置いています。
超加工食品とは、揚げ物、焼き物、保存食、加工肉(ミートローフ、ソーセージ、ハム、ミートボールなど)、ビスケットやペストリー、炭酸飲料、麺類、ポップコーン、ポテトチップ、缶詰、砂糖漬けフルーツ、冷菓(アイスクリーム、アイスキャンディー)などを指します。
最初の2段階で肌が改善されない場合は、第3段階を開始します。この段階では、ケーキ、デザート、ペストリー、ビスケット、ピザ、食パン、ドーナツなどの食べる量を減らすか、食べないことをおすすめします。
醤油、ビール、肉まん、餃子、麺類、お茶漬け、サンドイッチ、フランスパン、パスタについては、肌の状態や胃腸に影響がないかを試してみて、記録をとりましょう。
さらに試す場合は、グルテンを含む食品を米、さつまいも、トウモロコシ、大麦、紫米、黒米、豆、ジャガイモに置き換えてみてください。これを2週間ほど続けて、肌に変化があるかどうかを見てみましょう。
(つづく)
(翻訳・香原 咲)
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