カルシウム補給のために知っておきたい2つのコツ

カルシウムは体内に最も多く存在するミネラルでありながら、現代人に不足しがちな栄養素の一つです。カルシウムが不足すると、骨粗しょう症などの原因になるため、食事でカルシウムを補うことが大切です。

カルシウム不足が骨粗しょう症や夜間こむら返りの原因に

カルシウムは骨や歯の重要な構成要素であるだけでなく、血液が正しく固まるのを助け、神経系を強化し、心臓のリズムを整え、筋肉の収縮を助けて感情を安定させ、不眠を予防します。

体内のカルシウムの99%は骨と歯に存在し、全身に分布するカルシウムはわずか1%です。血液中のカルシウムが慢性的に不足すると、骨粗しょう症などの原因となることがあります。

カルシウム不足の一般的な兆候

・骨粗しょう症

・不安感、不眠症

・夜間こむら返り

永延整形外科クリニックの整形外科医、陳怡孜氏によると、膝やその他の痛みを感じる人の多くは、自分が骨粗しょう症であると誤解しているそうです。実は、骨粗しょう症にはほとんど自覚症状がなく、骨折したときや健康診断で初めて骨粗しょう症と分かることが多いのです。

夜中にふくらはぎがつるようになった時は、カルシウムが不足している可能性があります。このような場合は、骨粗しょう症の可能性があるので、病院に行って骨密度を調べてもらうとよいでしょう。

夜中に突然足がつるのは、カルシウム不足が原因かもしれません。(Shutterstock)

 

カルシウムの補給は若いうちから。
カルシウムが不足しやすい人

世界骨粗しょう症財団によると、若いうちに骨密度を10%高めると、骨粗しょう症の発症を最大で13年遅らせることができるといいます。そのため、年齢に関係なく、食事によって骨の健康を維持する必要があります。このほか、カルシウムの補給に特に注意が必要な4つの種類の人がいます。

1.高齢者

骨密度は20〜30歳頃をピークに減少してくるため、年をとると骨量が減ります。

2.更年期女性

閉経後はホルモンの減少により骨量の減少が加速されます。

3.甲状腺・副甲状腺疾患のある人

甲状腺と副甲状腺は、体内のカルシウムとリンイオンのバランスを調整する役割を担っており、両者の機能亢進・低下により、血液中のカルシウムが失われています。

4.腎臓病患者

腎臓の機能が低下すると血液中にリンが蓄積され、過剰なリンを除去するために副甲状腺ホルモンの分泌が促されますが、副甲状腺ホルモンが増加すると骨カルシウムが失われてしまいます。

カルシウムの吸収を助ける栄養素:ビタミンC、ビタミンD

カルシウムは、新鮮な牛乳、豆類、乾燥豆、伝統的な豆腐、濃い緑色の野菜、ナッツ類など、多くの食品に含まれています。

Cofitの管理栄養士、張宜婷氏によると、寝る前にコップ1杯の牛乳を飲むと、気分がリラックスして眠りやすくなるそうです。

カルシウムの補給は、これらの高カルシウム食品を食べるだけでなく、カルシウムの体内吸収を高める2つの栄養素を摂取することが大切です

ビタミンC

グアバ、キウイ、パパイヤ、トマト、イチゴ、オレンジなど、ビタミンCの豊富な果物やジュースを食後に食べると、酸味によってカルシウムの吸収を促進することができます。

ビタミンD

カルシウムが胃の粘膜を通過して血液中に取り込まれるには、ビタミンD3の助けが必要です。ビタミンD3が不足すると、カルシウムをたくさん食べても胃で吸収されず、小腸から排泄されてしまいます。

現代人は日光を浴びることがほとんどなかったり、高齢になると肝臓や腎臓の機能が低下し、ビタミンD3の合成に影響を及ぼすことがあります。

適度な日光浴のほか、鮭や卵黄、そばなどビタミンDを含む食品を摂取することでも、カルシウムの補給が可能です。

鮭はビタミンDを多く含み、カルシウムを多く含む食品と一緒に食べることで、カルシウムの吸収を助ける。(Shutterstock)

カルシウム補給の効果を低下させる4種類の食品

食事から摂取したカルシウムが実際に体内で使われるようにするためには、カルシウムの吸収に影響を与える食品や食生活を避けることが重要だと張宜婷氏は指摘しています

塩分を多く含む食品

塩分の多すぎる食事、ナトリウムを多く含む加工食品。

食事中のタンパク質の摂りすぎ

肉類などタンパク質の多い食品を食べ過ぎるとリンの摂取量が多くなり、カルシウムとリンの比率がアンバランスになるとカルシウムの吸収率が悪くなります。

脂っこい食事

脂っこい食事は、カルシウムを脂肪と結合させ、吸収に影響を与える可能性があります。

シュウ酸、カフェイン飲料

濃いお茶、コーヒー、炭酸飲料、エナジードリンクなど、シュウ酸やカフェインはカルシウムの吸収を低下させるので、注意が必要です。

(翻訳:香原咲)

蘇冠米