発酵食品には、腸の健康を促進する体に優しい菌(プロバイオティクス)が豊富に含まれており、がんと闘うには最適な食品です。 (Shutterstock)

抗がん良薬の食品、専門家が推奨する自家製レシピ2選

ヨーグルト、ザワークラウト、味噌、キムチなどの発酵食品を食べて育った人は、知らず知らずのうちにこれらの食品の恩恵を体内で受けているのです。 もしあなたが、これらの食品を普段の食生活に取り入れていないなら、今からでも遅くはありません。これらの自然発酵食品は、昔から世界中で親しまれており、まさに「抗がんのヒーロー」なのです。

私たちの祖先は、新鮮な野菜を発酵させて保存し、オフシーズンに楽しんでいました。 かつては食品の保存方法としてのみ利用されていましたが、現在ではこの自然発酵のプロセスが、腸内の善玉菌のバランスを促進し、消化を助け、免疫力を高めるなど、長期的な健康維持に非常に有効であることが分かっています。 発酵食品は、がん予防と対策に大きな効果をもたらすと言えるでしょう。

がんに効く4つの発酵食品

『私がかつて癌だった』(I Used to Have Cancer)という本の中で、発酵食品を食事に取り入れることの重要性について話しています。 実は、どんな野菜でも発酵させることができるということが、世界中で人気のある食品になった訳です。 発酵食品には、必ず腸内環境を整える体に優しい菌(プロバイオティクス)が多く含まれており、がん対策に最適な食品といえます。

がん対策に効果があるとされる4つの発酵食品を紹介します。

●ザワークラウト

ザワークラウト(発酵キャベツ)には、がんのリスクを低減させる8種類の天然化合物が含まれていることが分かっています。 ポーランドの専門家が2012年の《栄養とガン》(Nutrition and Cancer)誌で共有した、乳がん細胞の治療にキャベツジュースを使用する研究によると、キャベツ食品は特定の酵素の量を減らしたり、がんの形成を活発的に阻止したり、化学予防剤の代替品として作用することが分かりました。

ザワークラウトは、がんのリスクを減らす可能性があります。 (Shutterstock)

味噌汁

東京の国立がんセンターで行われた21000人の日本人女性を対象とした研究により、味噌汁を定期的に摂取することで乳がんのリスクを低減できる可能性があることが明らかになりました。 研究者によると、味噌汁を3杯以上飲んだ女性は、1杯飲んだ人に比べて乳がんの発生率が約40%、2杯飲んだ人は26%低いことが分かりました。 

この研究結果は、《アメリカ国立がん研究所雑誌》に掲載されましたが、研究者は、味噌は大豆と塩と糀を混ぜて作られており、高血圧の人は塩分の摂り過ぎに注意する必要がある、と言っています。

●韓国産キムチ

2014年に《薬用食品雑誌》に掲載された研究では、キャベツ、生ニンニク、生姜、韓国の辛い唐辛子からなる人気の発酵食品、韓国キムチがプロバイオティクスの強力な源であり、がん予防に用いられる食品の1つであることが示されています。

●ヨーグルト

アメリカ、ヨーロッパ、アジアの144万人以上を対象にしたアメリカ医学会雑誌JAMA(Journal of American Medical Association)の研究では、ヨーグルトを多く摂取している人は、摂取していない人に比べて肺がんのリスクが30%以上低いことが示されました。

すべての発酵食品に抗がん作用があるわけではない

ただし、すべての発酵食品に抗がん作用があるわけではないので、発酵野菜を購入する際は製品ラベルをよく確認しましょう。 製品ラベルに「生、高温加熱していない」と書かれていることを確認しましょう。発酵食品には生きたバクテリアの培養物が必要です。

例えば、スーパーにある缶詰のザワークラウトは、高温で処理すると、体内の最も有益なバクテリアを破壊してしまう可能性があります。 自分でザワークラウトを作れない場合、私がお勧めするブランドはBubbie’s Sauerkraut(ドイツのバイエルン風ザワークラウト、バビーズ・ザワークラウト)です。

味噌調味料を使用する場合、味噌汁は熱で有益な微生物が破壊される可能性があるため、加熱しすぎないようにしましょう。

味噌汁の常飲は乳がんのリスクを下げると言われていますが、熱くなりすぎないように注意しましょう。 (Shutterstock)

正しい方法で食生活を適応させれば、すべてが可能になるのです。 ここでは、がん対策に役立つレシピを2つ、まとめてご紹介します。

おすすめの抗がんレシピ

●ザワークラウトのレシピ

ザワークラウトは癌に効く強力な食品であるだけでなく、自家製でとても美味しく、値段も手ごろです。

食材:

▪有機栽培のキャベツ  1玉 

▪ヒマラヤ岩塩(別名:ローズソルト) 小さじ1.5~2杯

作り方:

キャベツは緑色の外葉を何枚か剥がし、芯も切り落とす。

内葉を薄切りまたは千切りにし、大きめの容器に入れる。

(スライサー、または包丁やフードプロセッサーを使ってもよい)

1.切ったキャベツに塩をふり、よく混ぜ合わせ、15分ほど休ませる。

2.キャベツを手で5分以上揉み、その際に出る塩水は残しておく。

3.清潔なガラス瓶や陶器の容器にキャベツをいっぱいに入れ、その上から塩水(塩揉みした際に出てきた液体)をかける。 

 ★キャベツにかかる量が少ない場合は、自家製の塩水(水1カップに対して小さじ1杯の塩を加えて作ったもの)を加える。

 

4.最初に剥がしたキャベツの葉を瓶の中のキャベツの上に置き、葉の上に重石を置き、塩水に全体が浸かるよう押し込みます。

5.容器に蓋をして、1~4週間、室温で発酵させる。

 発酵が完了したザワークラウトは、冷蔵庫で数ヶ月間保存することができます。

● 韓国キムチのレシピ

食べきれなかった新鮮な野菜は、すぐに韓国産のキムチにするのが一番健康的な処理方法です。

※有機栽培の野菜を使用するとより効果的です。

食材:

▪白菜        1人前/80g

▪塩         小さじ2

▪生姜        2cm

▪生ニンニク     5片 

▪ナンプラー     大さじ2

▪しょうゆ      大さじ1(グルテンフリーのしょうゆでも可)

▪砂糖        小さじ1

▪赤唐辛子フレーク  適量

▪葱         2本 (5cmにカット)

▪ミックス野菜    約450g

(例:ニンジン、カリフラワー、フェンネル、インゲン、カブ、ラディッシュ)

韓国産キムチ作りの食材。 (Shutterstock)

作り方:

1.白菜は外葉を取り除き5cmの短冊状に切り、大きめの容器に入れ、塩をふっておく。 白菜の水分が出てくるまで、塩を手で葉にすり込み、冷水に1時間浸す。

2.浸した白菜を取り出し水で3回洗ったら、水気を切って大きめの容器に戻す。 

3.生姜、にんにくをすりおろし、ナンプラー、醤油、砂糖と一緒に小さなボウルに入れ、滑らかなペースト状になるまで混ぜ、赤唐辛子フレークを混ぜる。

4.白菜の入った容器に3を入れ、ネギ、一口大にカットしたミックス野菜を加えて、手でまんべんなく塗り広げる。

5.キムチをガラス瓶または陶器の瓶にしっかりと詰め、気泡が入らないようにしっかりと押さえる。 瓶の上部を1cmほど空け、白菜から出した塩水をキムチの上に注ぎ、キムチが完全に液体に浸かるようにする。その後、瓶にしっかりと蓋をする。

6.完成したら直射日光を避け、常温で保存する。 1日1回、瓶を開けてガスを抜く(最低1日、最大5日)。 

キムチは長く漬けるほど酸っぱくなるため、味見をしてから、冷蔵庫に入れます。

著者について:ジェームズ・テンプルトン(James Templeton)は、テンプルトン・ウェルネス財団の創設者です。

 

この記事はTempleton Wellness Foundationに掲載されたものを、《大紀元時報》に許可を得て転載・翻訳したものです。 

英文記事はこちら:Fermented Foods Are Tasty Cancer Fighting Medicine.

 

(翻訳編集:李明月)

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