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マグネシウムの補給は6大疾患の改善につながる
マグネシウムは、骨の発達、神経筋機能、エネルギー貯蔵、炭水化物、脂肪、タンパク質などの主要栄養素の代謝など、細胞内のほぼすべての主要な代謝および生化学プロセスに関与しています。以下は、マグネシウム不足と密接に関係している代表的な病気です
1. 糖尿病
マグネシウムは、炭水化物の代謝に不可欠な因子であり、インスリンの感作物質(アレルギー性接触皮膚炎を起こす原因物質)でもあります。 一方、細胞内のマグネシウム濃度が低下すると、脂肪細胞にカルシウムが多く入り込み、酸化ストレスや炎症、インスリン抵抗性を高める原因となります。また、マグネシウムは、ブドウ糖の細胞内吸収を調整する働きがあります。
マグネシウム研究会は、マグネシウムの補給が糖尿病に多くの効果があることを示唆しており、マグネシウムを多く含む食事は、糖尿病のリスクを有意に低下させることが分かっています。1日のマグネシウム摂取量が100mg増加するごとに、糖尿病のリスクが15%減少します。
2.骨粗しょう症
マグネシウム不足は、骨粗しょう症の原因の一つです。閉経後の女性7万人以上を対象とした研究では、マグネシウムの摂取量が減少すると、腰や全身の骨密度が低下することが示されました。
また、食品中のマグネシウムを増やしたり、マグネシウムのサプリメントを摂取することで、骨粗しょう症の方の骨密度を高め、骨折のリスクを軽減することを実証する研究が数多くあります。
3.循環器系疾患
マグネシウムは、血管を弛緩させ、血圧に影響を与えるイオンを調節することで、血圧を下げる働きがあります。
また、マグネシウムの摂取量が多い人は、心血管疾患や脳卒中のリスクが低いことが分かっています。 また、体内を循環するマグネシウムの濃度が高ければ、虚血性心疾患や冠状動脈性心疾患のリスクを低減させることができます。
米国の研究者が45歳から64歳の13,000人以上を12年間追跡調査したところ、血清マグネシウム値が最も高い人は、最も低いグループに比べて心臓突然死のリスクが38%低いことがわかりました。
4.痛み
神経学的な観点からは、マグネシウムは神経伝達や神経筋伝達に重要な役割を果たすため、痛みの緩和にも関連します。
偏頭痛の発作中や発作と発作の間は、血清中のマグネシウム濃度が著しく低下し、脳内濃度も低下します。米国神経学会によると、マグネシウムの経口摂取は片頭痛の発生を防ぐのに役立つといいます。
また、マグネシウムは慢性的な痛みを持つ患者の痛みを和らげ、鎮痛効果を発揮する可能性があります。
(つづく)
(翻訳編集:香原咲)
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