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5.癌
マグネシウムが不足した食事は、がんのリスクを高めると言われています。
マグネシウムが不足するとDNAの突然変異が起こりやすくなり、炎症やフリーラジカルの上昇を引き起こし、腫瘍の発生につながる酸化的DNA損傷を引き起こす可能性もあります。
食事中のマグネシウム量を増やすと、乳がん、肝臓がん、大腸がん、膵臓がん、肺がんなど、少なくとも8つのがんの発生率または死亡率が低下し、飲料水中のマグネシウム濃度が高いと、食道がん、前立腺がん、卵巣がんのリスクが低下すると言われています。
6.パーキンソン病
パーキンソン病患者の脳脊髄液中のマグネシウム濃度は、病気の期間および重症度と負の相関があり、パーキンソン病の期間と重症度が高くなると、脳脊髄液中のマグネシウムの濃度が低下します。
日本のある研究で、食事中のマグネシウム濃度を高めると、パーキンソン病のリスクが低下する可能性があることを発見しました。
マグネシウムが豊富な食品、正しい摂り方を伝授!
成人の1日あたりのマグネシウム推奨摂取量は国によって若干異なり、女性で310〜320mg、男性で400〜420mgとなっています。
食事から摂取できるマグネシウムは、実はとても豊富です。
まず、軟水でも純水でもない、水道水や湧水など、ミネラルを豊富に含んだ硬水によって、1日に必要なマグネシウムの30%を飲料水から摂取することができます。
マグネシウムは精製されていない様々な食品にも含まれています。一般的には、緑黄色野菜、豆類、ナッツの種、全粒粉パンや精製されていない全粒粉、ダークチョコレートなどがマグネシウムの良い供給源となります。
米国農務省の栄養データベースによると、ココアには乾燥粉末1gあたり2〜4mgと非常に多くのマグネシウムが含まれているそうです。したがって、70〜80%のダークチョコレート40gには約40mgのマグネシウムが含まれ、1日の推奨摂取量の約10%を満たすことになります。
マグネシウム不足による病気の場合は、外因性マグネシウムのサプリメントを経口摂取することも可能です。
クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウムなどの有機キレートマグネシウムは、比較的吸収率が高いのでおすすめです。
このタイプのマグネシウムの推奨補給量は1日200mgで、1回に大量に摂取するよりも、1日に少量ずつ複数回に分けて摂取した方が吸収率が良いことも分かっています。通常、20〜40週間のサプリメント摂取で、血清マグネシウム濃度は比較的安定した状態に達することができます。
更に最近の研究では、マグネシウムは皮膚の汗腺から体内に吸収されることが分かっています。そのため、マグネシウムを含むボディローションで肌をマッサージしたり、緩下剤の塩(硫酸マグネシウム)を入れたお風呂に入ることでも、マグネシウムを補うことができます。
今夜は、マグネシウムを含んだバスソルトでゆったりと入浴し、マグネシウムを上手に摂取してみてはいかがでしょうか。
(終わり)
(翻訳編集:香原咲)
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