編集者注:反抗的な子供はイライラして怒りやすいだけでなく、私たち大人を何度も挑発し、感情を爆発させてしまうことも多くあります。臨床心理士の王意中氏は、子供の行動の動機を見抜き、子供たちが仕掛けた罠から抜け出し、問題に対する適切な解決策やカウンセリング戦略、正しい教育方法を提供するように教師を指導しています。
反抗的な子どもの一例
「そこの学生さん、椅子に座りなさい」
生徒Aは、何も聞こえなかったかのように机の上に座りつつ、教科担当の先生に背を向け、生徒Bとおしゃべりを続けていました。
先生は、「そこの学生さん、私の話を聞いていますか」ともう一度言いました。
すると、生徒Aは「まだ座ってないのは誰?何回も同じことを言わせないでください」と先生の口調を上手に真似て、クラスのみんなを笑わせました。
先生は「 そこの学生さん、今すぐに座らなかったら、あとで呼び出しますよ」と注意しました。
「俺のこと誰かに言いつけたつもりか?」とAは振り返って先生を目でにらみ、ガムを噛みながら「俺が誰だかわかるか?」とテーブルから飛び降り、「俺の名前を知っているか?なあ、教えてやろうか?」と攻撃的な口調で先生を挑発していました。
「あなた、いい加減にしなさい!それが、正しい話し方ですか?あなたのその態度は誰に教わったのですか」と先生が注意すると、
「今さらなんだよ。俺の親を責めるのか? それより、俺の名前知ってるのか? 知らないなら、俺の親を調べようがないだろ。生徒の名前も知らないで、先生になれるの?先生としての基本さえも出来てないのに、俺にとやかく言う資格あるのかよ」と生徒Aは軽蔑したように言いました。
生徒Aの一連の攻撃的な言葉に対して、教科担当の先生は言葉を失い、顔を真っ赤にしてしまいました。
圧倒的な高い位置を占め、全てをコントロールしようとする子供たち
教室では、先生の感情を挑発して、わざと嫌味っぽく、皮肉っぽく話す子もいます。
実は、子供は高い位置を占め、教室の状況を支配しようとしているのです。
もし教師が子供の行為を制御したり、注意したりしなければ、子供は、さらにひどいことをやるかもしれません。
子供と動機や考え方について二人きりで話し合い、
拒否反応を弱める
なぜこの生徒はいつもあなたを怒らせようとするのでしょうか? あなたを怒らせて、彼に何かいいことがあるのでしょうか?
子どもたちは、わざと何かをするのです。彼らの行動を通して、私たちの感情や反応をコントロールしています。
子どもの「意図的」な行動の動機を明らかにすると、彼らの「意図的」な反抗を弱めることができます。
しかし、注意すべきなのは、子供と二人きりで話し合うということです。
子供の目的はあなたを怒らせること
反抗的な子供に対する対策について、先生たちと話し合うとき、このような話をよく聞きます。「この子は本当にひどいです。私も感情を持つ人間なので、自分の気持ちをコントロールしようとしても、つい我慢できなくなります。 しかも、もし彼の気性を制御し、教訓を与えなければ、この子の将来も心配です」。
この話は、私たちの感情が子供の行動に影響されやすいことを反映しています。 これは、反抗的な子供が大人を挑発し、怒らせようとする目的に当てはまります。
私たちの反応が、子供の予想と合致すれば、彼らの行動を強化することになります。つまり、私たちが子どもに怒り、それが強くなるにつれて、彼らの反抗的な行為を強化することになるのです。
あなたを挑発したいので、怒らせたら、あなたは負けるーーゲームのルールはそれだけ単純なものです。反抗的な子供が仕掛けた罠に、知らず知らずのうちに足を踏み入れてしまいます。
動かないこと、子供から刺激を受けても自分の感情や行動を変化させないことは、私たちの立場を貫く唯一の方法です。
怒りの「一時停止ボタン」を押しましょう
対立が臨界点に達したとき、怒りも頂点に達しようとしているとき、私たちは苛立たしい言葉を言い、感情が爆発しそうになることがあります。
反抗的な子供に出会ったとき、大人の忍耐力が彼らに試されていることは、残酷な現実です。もし私たちが子供の行動に影響されていれば、子供は私たちを支配し、代替することができると思うでしょう。
子供との言い争いが頂点に達したときに、「一時停止ボタン」を押すためには、自己の感情を制御する能力が必要です。
あなたは、自分の感情が小川の水位のように、徐々に上がっていき、もうすぐ臨界点に到達することに気づくことができます。
このとき、自分の関心を転換させ、感情を落ち着かせるようにしましょう。
冷静さを示し、子どもが健全に会話ができるよう導く
今、私たちができる精一杯の努力は、子供たちが穏やかな態度で落ち着いて話してくれるように導くことです。まずは、私たちが「冷静」でいることが重要です。
大人が穏やかな態度や落ち着いた心を保てれば、子供たちも徐々に私たちの方向に歩み寄り、落ち着いた口調と穏やかな態度で対応してくれるでしょう。
その後、心が穏やかになったとき、以下のことをよく考えてみてください。
・私たちを怒らせたり、恥ずかしくさせるものは何か。
・私たちが気になっていることは何か。他人の目線か。それとも、当事者の態度か。
・子供の話をどのように捉えて、解釈しているか。私たちの感情がこんなにも乱れた原因は何か。
皆さん、お気づきでしょうか。大人側のほうにこそたくさんの課題があります。これらの存在意義は、目の前で反抗している子供たちにうまく対応できるように、私たちに精神的なエネルギーと強い意志を与えることです。
本稿は、化解孩子的「對立反抗」(宝島社文化事業部)より引用しています。
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