最近、ブドウ種子エキスが人気を集めているのをご存知でしょうか? ブドウの種は、抗酸化物質であるプロアントシアニジンやポリフェノールが多く含まれ、ブドウの深い赤色や紫色を生み出しています。ブドウ種子エキスは、ブドウの種を粉砕して作られるため、強い抗酸化作用を持つことで知られています。
機能性食品として、ブドウ種子エキスの人気がますます高まっています。グローバルマーケットインサイトによると、ブドウ種子エキスの市場規模は2020年に1億3500万米ドルを超えましたが、2027年までに年平均成長率が7.5%になると予想されています。
これらのブドウ種子抽出物の一部は、化粧品や日常ケア用品に使用されているほか、新たな製品にも応用されています。ブドウ種子抽出物を含むナノファイバーは、食品の酸化を防ぐため食品の包装に使用されています。また、健康志向の高い消費者は、機能性食品やサプリメントとしてブドウ種子エキスに注目するようになってきています。次のような6つの健康効果が期待されています。
ブドウ種子エキスの6大健康効果
1. 肥満の予防と管理
中国湖北省の長江大学医学部の研究者は、2020年の研究論文で、ブドウ種子エキスが血中脂質の低下、腸内環境改善、代謝の調整などさまざまな方面で肥満防止に効果があると述べました。
2021年の『植物療法研究』(Phytotherapy Research)に掲載された別の研究では、ブドウ種子エキス(1日300mg、12週間)をカロリー制限食と一緒に摂取すると、肥満または過体重の成人の心血管疾患の危険因子が改善されることが明らかになりました。プラセボ(有効成分を含まない薬)と比較して、ブドウ種子エキスを摂取した人は、善玉コレステロールのレベルが上昇し、悪玉コレステロールのレベルが低下したほか、内臓脂肪、動脈硬化指数(心血管疾患のマーカー)、中性脂肪などが減少しました。
2. 血圧を下げる
2021年の『栄養素』(Nutrients)に掲載された研究では、健康な成人において、ブドウ種子エキス(1日300mg、16週間)の摂取は、プラセボと比較して血圧を有意に調節したことが明らかになりました。
メタボリックシンドロームの患者において、ブドウ種子エキスに含まれる強力な血管拡張作用を持つポリフェノールが、収縮期および拡張期血圧を低下させることも示されています。『代謝』(Metabolism) 誌は、高血圧症の前段階にある人は、運動中に起こる心血管疾患の潜在的なリスクを減らすための処置として、ブドウ種子エキスを推奨しています。
他の研究でも、高血圧予備軍の男性を対象に、運動前にブドウ種子エキスを数回投与すると血圧が下がり、末梢血管の収縮が緩やかになり、心臓への負担が減り、血液への酸素供給が促進されることが示されました。
3. ストレスを和らげ、情緒を安定させる
ストレスやその他の心理状態も血圧に大きな影響を与えるため、研究者はブドウ種子エキスが血圧に与える影響だけでなく、人が感じるストレスレベルについても測定しました。また、前述の2021年の『栄養素』( Nutrients)の研究で、ブドウ種子エキスは、不安感を有意に解消させるなど、ストレスの認識に関連する感情に対して驚くほど効果があることがわかりました。
また、ブドウ種子エキスを摂取した更年期の女性は、不安などの精神症状が改善したことがわかりました。情緒を安定させるのは、ブドウ種子エキスに含まれるポリフェノールに起因していると考えられます。人を元気づけ、脳の認知機能を高め、脳疾患から保護するのです。
ブドウ種子エキスは適量であれば安全性が高いとされていますが、ブドウに関連する食物アレルギーのある人、妊娠中や腎機能の低下している人、薬の服用中は、医師に相談の上、摂取するかどうかを判断してください。
(つづく)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。