進化論―ひとつの誤った信仰(3)

(続き)

サルから人類までの進化の過程で、移行種である「類人猿」を探す課題は、昔から科学の「重大懸案」となっています。これが人類の祖先だという発見は、その後、何度も、早々と年月を待たずに否定されました。しかし学術界が否定した後でさえ、教育界までこれを事実として宣伝します。1984年に「ルーシー」の愛称で知られる猿人が祖先だと挙げられましたが、後になって、大部分の学者に否定されました。「ルーシー」は、実は人間と全く関わりがない一種の絶滅した猿です。

鳥類と爬虫類動物の間にある移行種と思われた六つの「始祖鳥化石」の発見は、世界を驚かせましたが、五つの化石は、鑑定後、人工的なものであることが分かり、残り一つは持ち主が如何なる鑑定をも堅く拒みました。最初の「発見者」は、捏造の理由を「進化論をあまりに信じ込んでいたので、進化論を証明するために、最も説得力のある証拠を作った」と告白しました。しかし、教科書の中にある「ルーシー」と「始祖鳥」の記載の誤りは未だに訂正されず、大衆は真実を知らされないままなのです。

もし進化の現象が実在であるとすれば、移行類型の化石は容易に見つかるはずです。どうして見つからなかったのでしょうか? 学者たちは、ダーウィンの解釈を用いて「化石記録は不完全だ」と、この疑問に答えました。しかし、よく考えてみれば、化石の形成は普遍的で、不規則であり、どうして移行類型化石だけが漏れてしまったのでしょうか?

生物学者グールドとエルドリッジが、地質上の歴史の事実に基づいて、「断続平衡説」という仮説を出して、移行類型化石の形成率は、より少ないと説明しました。しかし、そのことは移行類型物種化石の形成が全く不可能であることを意味付けることはできません。

三、現代進化論の理論上にある、致命的な錯誤

ある理論が正確であれば、その真理性は色々な角度から全て証明できるはずです。更に、それぞれの側面からの証明も互いに補足できます。相対論への証明や遺伝子のDNA分子への証明は、まさしくそうです。しかし、進化論の場合は全く逆の状態が見られました。各々の学説がお互いに大きく分岐し、対立しているのです。

古生物学者グールドは一つの例を挙げて、その原因を次のように説明しました。
「1890年のバーリントンの研究では 『黒人は低級である。なぜなら彼らが幼年的特徴を保持しているからだ』と指摘した。一方、1926年のボルクの研究では『黒人は低級である。なぜなら彼らの発育の特徴は、白人の幼年的特徴を超えたからだ』と指摘した。なぜ、一つの観点で二つの矛盾する論拠が導かれるのか。それは、事実に基づいて科学的な結論に達するのではなく、ある先入的信仰を証明するための根拠を探しているからである。彼らに現れたのは、まさしく進化論の問題である」

一般論として、もしある理論に根本的な内的矛盾があり、既に検証された定理と矛盾すれば、この理論の存在は許されないでしょう。次の幾つかの問題点は十分に進化論の真実性を否定できます。

1. 確率で計算すれば、生物進化の可能性は、ほぼ完全に不可能だ

ダーウィン時代の想像力を超え、現代の進化理論は、遺伝子レベルから進化を解釈しています。遺伝子に根本的変化が発生しなければ、一切の表面的な変化は進化には関係ないのです。つまり、進化は遺伝子の変化に基礎を置くべきで、現代の進化論は、遺伝子の突然変異説を用いて進化の原因を説明しています。しかし、数学の公式や模型が広く生物学領域に応用されている今日、進化論者が公式を用いて、遺伝子の突然変異によって進化を実現させる確率を計算したことは一度もありません。なぜなら、合理的な公式であれば、どれも進化を否定するはずだからです。

多くの学者が、確率から現代進化論の錯誤を証明しました。
マイケル・J・ベーエが著書『ダーウィンのブラックボックス( Darwin’s Black Box )』の中で、生命の複雑さと精密さから進化の可能性を否定しています。

(つづく)
 

曹凱