4月24日、岸田文雄首相は、週末に投開票が行われた補欠選挙の結果について「政策をやりぬけとの国民から叱咤激励」との認識を示した。衆院解散は「今は考えていない」という。写真は20日、首相官邸で撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)

補選結果は叱咤激励、今は解散考えていない=岸田首相

[東京 24日 ロイター] – 岸田文雄首相は24日朝、週末に投開票が行われた補欠選挙の結果について「政策をやりぬけとの国民から叱咤激励」との認識を示した。衆院解散は「今は考えていない」という。首相官邸で記者団に語った。

23日に投開票が行われた衆参5つの補欠選挙では、衆院・和歌山1区を除く4選挙区で自民党候補が議席を確保した。岸田首相は「与党・自民が重要政策課題と掲げたものをやりぬけという、叱咤(しった)激励と受け止めた」と総括。「国民のさまざまな声を踏まえ、政治を力強く進めていきたい」と述べた。

早期の衆院解散の可能性についての質問には、「国民の声を聞きながら重要政策を前進させるに尽きる、今解散は考えていない」と述べた。

補欠選挙は、発足から1年半が経過した岸田政権の「中間評価」とみる声もあり、自民党の茂木敏充幹事長は24日未明、選挙の結果について「(岸田政権に)前向きな評価をいただいた」との認識を示した。

一方で、立憲民主党の岡田克也幹事長は23日夜のNHKの番組で、次期衆院選について「いつあってもいいように準備しておく。早ければこの国会の最中にもあるかもしれない」と述べた。

法政大大学院の白鳥浩教授は補選の結果について「自民党ではもともと3勝2敗とみていた人が多く、4勝1敗なら万々歳だ。政治とカネの問題で前職が辞任した千葉5区でも自民候補が勝てており、岸田政権に一定の評価を得た」と指摘。「広島サミット後の早期解散に弾みがついた格好」とみている。

衆院の任期は2025年10月だが、24年9月に自民党総裁選の任期を迎える岸田首相が続投を目指すのであれば、総裁選前の24年前半ないし年内に衆院解散に踏み切るとの見方が与野党には多い。内外経済の減速懸念もあり「解散は早ければ早いほど良い」(政府・与党幹部など)との声も出ている。

(竹本能文 編集:田中志保)

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