春は自然に体重を減らす季節です。旬の果物や野菜が登場し、肉や炭水化物の摂取量を減らすことができます。また、春はデトックスに最適な時期で、冬に溜まった不要な物質を排出し、体を軽やかにするのに役立ちます。以下の9つの食材は、春のデトックスにぴったりで、体を軽やかにする手助けをしてくれます。
春は身心を浄化する良い季節です
デトックスは歴史を通じて広く実践されてきました。長い間、サウナや温泉は、デトックスや身心の浄化を望む人々を引き付けてきました。
身心の浄化は、静寂に身を置き、心を落ち着かせることで、身体と心の両方をリラックスさせることができます。春は伝統的な浄化の時期であり、身体システムを再起動するのにぴったりです。
現代人はどのように体内の毒を排出するのでしょうか? 安全かつ効果的に毒素を排出し、身体システムを再起動するためには、食べる量を減らすのではなく、むしろより多く食べることが重要です。以下の9つの解毒食品があなたの役に立つかもしれません。
春のデトックス食品9選
◎解毒食品その1:ブロッコリースプラウト
ブロッコリーの種子を発芽させたもの、ブリュッセルスプラウトやキャベツなどの他のアブラナ科野菜の種子も同様に、硫黄ベースの栄養素であるスルフォラファンを生成します。スルフォラファンに関する研究では、炎症を減らしたり、腫瘍の成長を遅らせたり、癌のDNA変異を防止したり、有毒なフリーラジカルを中和することによる体の解毒などの効果が示されています。
スルフォラファンの最も注目すべき効果の1つは、体内の毒素を迅速に排出することです。ブロッコリー全体を食べることは健康に大きな効果がありますが、ブロッコリースプラウトはより強力かもしれません。生後3日目のスプラウトは、成熟したブロッコリーの1グラムあたりのスルフォラファン含有量のほぼ100倍を含んでいます。
別のブロッコリースプラウトの研究では、空気中の3つの一般的な汚染物質であるベンゼン、アクロレイン、クロトンアルデヒドの迅速な排出を促進することで、強力な解毒能力を示しました。
◎解毒食品その2:ホエイ
チーズ製造過程の副産物であるホエイプロテインは、アミノ酸が豊富なサプリメントで、ボディビルダーや健康志向の人々に長年愛用されてきました。体重の改善や脂肪の減少と関連があり、高血圧、インスリン抵抗性、脂質代謝などの特定の代謝疾患の治療にも有効なサポートとなります。
2008年の体重減少のためのホエイサプリメントに関する研究では、ホエイプロテインドリンクを1日2回摂取した被験者は、同じカロリーのプラセボを摂取した対照群よりも、有意に多くの体脂肪を減少させました。両グループの被験者は体重が減少したものの、ホエイプロテイングループの被験者はより多くの筋肉を保持しつつ、より多くの脂肪を減少させました。

◎解毒食品その3:クロレラ
クロレラは淡水性の藻から得られる多目的な栄養補助食品です。健康とウェルネス(毎日をよりよく生きるための健康維持・増進に向けた生活態度全般を指し、「健康」をより広く捉えた新しい概念)をサポートするために使用され、ビタミンやミネラルの良い供給源であり、またこのサプリメントのスーパーパワーは解毒作用かもしれません。
数多くの研究により、クロレラがさまざまな化学汚染物質を浄化できることが示されています。学術雑誌『Experimental and Toxicologic Pathology』に掲載された研究では、研究者らは、急性肝不全を引き起こす可能性がある、濃度を解毒することで知られる化学物質の四塩化炭素に対する、クロレラの解毒効果を調査しました。テストされたマウスの病気の症状は、クロレラ抽出物を与えることによって大幅に回復し、クロレラの抗酸化作用が保護的な役割を果たしました。
別の研究は、西洋の食事に一般的に含まれる特定の発がん性化学物質に対するクロレラの影響を評価することを目的としていました。クロレラを投与された女性被験者は摂取した後、尿中の複素環式アミンHCA(複素環式アミン)の量は、対照被験者よりも大幅に減少しました。HCA は、高温で処理された肉によって生成される発がん性化学物質の一種です。
クロレラは現在、サプリメント形式でしか入手できませんが、フルーツスムージーに加えることで飲みやすくなります。また、緑藻(Green algae)はヨウ素が豊富に含まれており、体内からフッ化物を除去するのにも役立ちます。

◎解毒食品その4:りんごペクチン
りんごはおいしいだけでなく、一般的でもあり、腸の健康に関連する有益な植物性繊維であるペクチンを豊富に含んいます。ペクチンは、手作りのジャムやゼリーを固めるだけでなく、体内の毒素と化学的に結合し、消化管から排出させることができます。
1990年、ロシアのチェルノブイリ原子炉事故の際、汚染のリスクが高い子供たちを対象とした調査が実施されました。この研究では、これらの子供たちの放射線被爆を長期間にわたって追跡し、監視しました。研究介入の 1 つとして、被験者はモニタリング期間中に 2 週間リンゴペクチンが監視の下で投与されました。
ペクチンを摂取した子供たちは、致死的な放射性同位体であるセシウム-137の体内負荷が減少したことが、プラセボ対象者と比較して明らかになりました。有機のままのりんごを食べることで、より多くのペクチンを摂取することができますが、サプリメントも利用可能です。粉末状のりんごペクチンは、フルーツスムージーの美味しい添加剤として使用することができますが、混ぜた後はすぐに食べる必要があります。そうしなければ、スムージーが固くなってしまいます。
◎解毒食品その5:コーヒー
もしコーヒーがあまり好きでない場合、デトックス中には再考する必要があるかもしれません。コーヒーは思考を明晰にするだけでなく、体内にとって異物であるキセノバイオティクス(xenobiotics)を排出することでデトックスをサポートするスーパーフードです。
『Cancer Research』誌に掲載された研究では、マウスに与えた生のコーヒー豆がグルタチオン(GSH)S-トランスフェラーゼという重要な解毒酵素を生成したことが示されました。生のコーヒー豆の摂取は、マウスの小腸と肝臓でGSH S-トランスフェラーゼの活性を促進し、これは、コーヒーが小腸と肝臓に対して抗腫瘍作用があることを明らかにする研究の裏付けとなります。

◎解毒食品その6:ニンニク
ニンニクは、おそらくあなたのキッチンにあるもう一つの植物由来の解毒剤です。ニンニクには、体内に存在する解毒酵素の量を増やすオルガノ硫黄化合物アリシンが含まれています。2010年の研究では、玉ねぎやニンニクに、これらの化合物が高濃度に含まれていると、血液中の反応性代謝物に結合する第二段階の解毒酵素が誘導され、それによってそれらの除去が促進される可能性があることが判明しました。
ニンニクに関する他の研究では、血液や組織中の鉛濃度を減少させる効果を示しています。2012年に発表された基礎臨床薬理学と毒性学の研究で、ニンニクがd-ペニシラミンと同じように、体内から鉛を除去するのに臨床的に安全であり、効果的であることが判明しました。

◎解毒食品その7: ウコン
スパイスのウコンに含まれる活性ポリフェノールの一つであるクルクミンは、抗酸化作用を通じて体を解毒する能力を持つスーパーサプリメントです。
クルクミンの解毒作用と抗酸化作用は、水銀にさらされたラットを用いた動物実験で観察されました。1日に体重1㎏あたり80mgのクルクミンを3日間経口投与することにより、肝臓、腎臓、脳の脂質過酸化およびカタラーゼ活性という、水銀による酸化ストレスパラメーターに対する保護効果が見出されました。カタラーゼは、自由ラジカルによる酸化的損傷から細胞を保護する重要な酵素です。
クルクミン投与は、肝臓および腎臓損傷の血清マーカーにおける水銀誘発性の生化学的変化を逆転させました。水銀にさらされたマウスでは、クルクミンの投与前と投与後の両方で組織内の水銀濃度が減少しました。

◎解毒食品その8: 生姜
春のデトックスレシピにスムージーを取り入れる予定があるなら、生姜とウコンを追加してさらに解毒効果を得ることを考えてみてください。2016年の研究では、ウコンと生姜が、非常に有毒な金属であるヒ素を体から除去するのに効果的であることがわかりました。
その結果、生姜とウコンの組み合わせは、便や尿を通じて除去されるヒ素の量が増えるだけでなく、ヒ素によるダメージから身を守る効果も示されました。
生姜の解毒作用は、特定の癌に対して体を保護する抗癌化学防護作用がある化合物ゼルンボンによるものである可能性があります。

◎解毒食品その9: 緑茶
気温が上昇するにつれて、爽やかな一杯の新鮮な緑茶は純粋なご褒美に聞こえるかもしれません。しかし、緑茶には解毒作用があることを知っていますか? 臨床研究により、緑茶を摂取することで、鉛による人体への悪影響を減らすことができ、生殖能力の向上にも役立つ可能性があることが示されています。
鉛にさらされた70匹のラットの研究では、緑茶エキスを与えられたラットは他の試験対象よりも体重をより保持し、鉛中毒の影響が軽減されたことが示されました。緑茶グループのオスのラットは最も高い精子数と最も低い精子異常率を示し、緑茶抽出物が鉛誘発生殖障害の軽減に役立つことが示されました。

(翻訳編集 華山律)
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