これが中国の「緑化政策」か。枯れ木に緑色の染料をスプレーする作業者。(SNS投稿動画よりスクリーンショット)

枯れ木に緑色スプレー、枝にニセの葉を装着 あまりに独創的な「中国の特色ある緑化政策」

このごろSNS上では、場所は不明だが、中国国内で撮られたとみられる「偽の緑化政策」をめぐる複数の動画が拡散され、人々をあきれさせている。

ある動画では、作業者が枯れた木に緑色の染料をスプレーしている。これで街に「豊かな緑が増えた」ということにしているようだ。作業しているのは下請け業者であろうが、これを発注したのは地方政府などの役所である可能性が高い。

また別の動画では、高所作業車に乗った作業員が、高い木の枝に何やら取り付けるような「怪しい作業」をしているのが分かる。

なんと作業員は、造花の葉っぱを取り出して、それを葉のない枝に固定しているのだ。固定にはタッカーのような工具が使われているらしく「カチッ、カチッ」という金属音が聞こえる。なるほど、こうすれば確かに「緑ゆたかな樹木」になる、いや偽装できるだろう。

この「葉っぱ装着」の動画には、以下の説明文が添えられていた。

「中国で街をよりグリーンに見せるために、人造(偽物)の葉を木の枝に装着。おそらくこれは当局の検査対策なのだろう」

こんな稚拙な偽装でごまかせる検査とは一体何なのか、という疑問を持たざるを得ないが、それを双方の「暗黙の了解」としているところに、今の中国社会が抱える病根の深さが垣間見える。

関連動画には「なんと独創的な」「チャイナの技術が、また世界をリードした」といった皮肉たっぷりのコメントが寄せられている。

 

 

関連記事
2024年5月1日~3日、中国湖北省随州市の数千人の住民は政府による「葬儀改革政策」の廃止を求めて街に出た。
2024年5月8日夕方、中国河南省信陽市で小学生41人が学校で夕食を摂った後に嘔吐と下痢などの食中毒を疑う症状が現れたことがわかった。
2024年5月9日、「小学校2年の息子が学校の昼休み時間に異常な死に方を遂げた、学校に説明を求めるも現地公安によって殴打された」と訴える母親の動画や画像が中国のネット上で検閲に遭っている。(母親が発信した動画より)
近頃、複数の報道機関によると、中国に存在する偽の学術機関が「院士」の選出を装い、詐欺行為を行っており、40万元の人民幣を支払えば「外国籍院士」の認定証を購入することができるとされている。
経済悪化が続く中国では水道、電気、ガス料金の値上げに続き、来月からは高速鉄道の運賃まで高くなることが発表された。