Britain's Foreign Secretary James Cleverly (L), European Union Deputy Secretary General and Political Director of the European External Action Service Enrique Mora (C) and Japan's Foreign Minister Yoshimasa Hayashi (centre R) arrive for a G7 Foreign Ministers' Meeting in Karuizawa on April 16, 2023. (Photo by Andrew Harnik / POOL / AFP) (Photo by ANDREW HARNIK/POOL/AFP via Getty Images)

中国とロシアが軍事協力を強化、日本の外相が警告

日本の林芳正外相は2023年5月中旬、インド太平洋地域における中国とロシアの軍事協力に懸念を示し、モスクワのウクライナ侵攻以来、欧州と同地域の安全保障状況は切り離すことはできないと述べた。

林外相は、ロシア・ウクライナ戦争は「国際秩序の根幹を揺るがす」ものであり、国際社会が一致団結して対応する必要があると指摘した。

「そうしなければ、他の地域でも同様の問題が発生し、我々の平和と繁栄を支えてきた既存の秩序が根本から覆されかねない」と、林外相はスウェーデンで開かれた欧州・インド太平洋の外相会合で語った。 

日本がこの戦争でウクライナを強固に支持する一方、中国は中立を主張し、ロシアとの「無制限」な友好関係を宣言し、北大西洋条約機構(NATO)と米国が紛争を誘発していると非難している。 岸田文雄首相は、中国共産党の習近平(Xi Jinping)総書記がモスクワでロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領と会談している2023年3月に、ウクライナの首都キーウを訪問した。

林外相は、中国が東シナ海と南シナ海の現状を武力によって変えようとする「一方的な試みを継続・強化」し、中国共産党が自国領土と主張する自治領台湾周辺の軍事活動を活発化させていることを非難し、

「また、中国とロシアは、爆撃機の共同飛行や日本近海での海軍の共同演習など、軍事協力を強化している」と述べた。

中国は、2016年に国際法廷が中国の恣意的で拡大した領有権を無効として却下したにもかかわらず、南シナ海の大部分の領有権を主張しており、東シナ海の日本が支配する島々についても同様に領有権を主張している。

林外相はまた、北朝鮮が弾道ミサイル発射を「前例のない頻度と方法で 」実施し、この地域で「挑発をエスカレートさせている」と警告した。

スウェーデンの首都ストックホルムのすぐ北で開催されたこの会議には、欧州連合やインド太平洋地域の数十人の閣僚が参加した。

「ロシアのウクライナ侵略以来、ここヨーロッパの安全保障状況と太平洋の安全保障状況は切り離せない状況にある」と林外相は述べた。

欧州連合のほとんどの国はウクライナに軍事支援を行い、欧州連合はロシアに制裁を課している。

中国は今回の会合に招待されなかった。

EUのジョゼップ・ボレルEUのジョゼップ・ボレル外交安全保障上級代表は、「中国抜きでインド太平洋を十分に話し合うことができる」とした上で、 「とはいえ、中国を軽視しているということではない。 中国に代わってということでもない」と述べた。

関連記事
垂秀夫前駐中国大使は9日、長年に渡って日台間の友好関係を推進してきた実績から、台湾の蔡英文総統より勲章を授与された。垂氏は自身と台湾との深い縁に言及し、今後も日台関係の強化に尽力していく考えを示した。
中華民国の新政権就任式に向け、台湾日本関係協会の陳志任副秘書長は7日、外交部の定例記者会見で、20日に行われる頼清徳次期総統の就任式に、現時点では各党・会派から37名の日本国会議員が37人が出席する予定だと発表した。過去最多の人数について「日本側は新政権をとても重視している」と歓迎の意を示した。
中国共産党の統治に反感を抱く中国人が続々と東京に集っている。識者らは、辛亥革命時に日本人が孫文らを支援した歴史を想起し、「義を見てせざるは勇なきなり」の精神で中国人と付き合うべきだと指摘した。
亜細亜大学の范雲濤教授(61歳)=中国籍=が昨年2月に中国へ一時帰国した後、行方不明になっている。政府に対してもっと積極的な対応を求める声が高まってる。松原仁氏は24日の衆院外務委員会で、上川陽子外相に対し、范雲濤教授の失踪について外務省の対応を問いただした。上川外相は、3度質問したにもかかわらず、ノーコメントで答えることを繰り返し、中国に対し口をつぐむ、具体的な対応は公表していなかった。
中華民国の次期総統、頼清徳氏は、4月30日台湾を訪問した自由民主党の鈴木貴子青年局長一行との会談した。総統府によると、頼氏は、5月20日に総統に就任した後も、「各方面での協力関係をさらに強化することを期待している」と述べのに対し、鈴木貴子衆院議員は日台関係は今後、「必ずさらに強固になるだろう」と応じた。