香港政府は国安法違反の疑いで海外にいる香港の民主活動家や元議員ら8人を指名手配した。画像は8人のうちの1人、民主活動家で元議員の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏(ANTHONY WALLANCE/AFP/Getty Images)

「香港に入ったら即逮捕」亡命中の民主派など8人を指名手配=香港政府

香港で反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法国安法)」が施行されたのが2020年6月30日。先月末で3年となる。この法律は「海外での言動」まで取締りの対象とされており、違反者の逮捕が相次いでいる。

言論統制を一層強める香港当局は今月3日、国安法違反の疑いで海外にいる香港の民主活動家や元議員など8人を指名手配した。

さらに1人当たり100万香港ドル(約1800万円)の懸賞金を出した。8人の資産は凍結され、香港警察は8人に金銭的な支援をしないよう市民に警告した。

対象となったのは、英国に亡命した民主活動家で元議員の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏。オーストラリアに逃れた元立法会(議会)議員の許智峯氏。民主活動家の劉祖廸氏。立法会(議会)の元議員の郭栄鏗氏など、香港出身の男女合わせて8人。

香港政府トップの李家超行政長官は記者団に対し、「一生追われる身となった運命を変える唯一の方法は(8人が)自ら出頭することだ」と述べた。

いっぽう当局者は「(8人が)香港に戻らない限り、香港警察は彼らを逮捕できない」ことも認めている。

国安法の施行により、多くの香港人は香港を後にした。香港政府によると、昨年1年間だけでも約6万人が移住や留学などを理由に香港を離れている。

香港当局は「これまでに国安法違反容疑で260人が逮捕され、うち79人が有罪判決を受けた」と発表した。

香港の民主化デモを報じてきた日本人ジャーナリストの小川善照氏のほか、香港政府への抗議活動の様子を撮影した日本人カメラマンの女性や、かつて香港で抗議活動の参加者を支援するメッセージを掲げて香港の路上などでライブ活動を行っていた日本人男性などが、香港への入境を拒否されている。

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