最新の発見により、2つの古代銀河に存在する2つのブラックホールが、天体物理学者に「先に鶏がいたのか、卵がいたのか」という難問をもたらしました。
アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が送信した最新の画像は、ビッグバンから約10億年後の2つの銀河を捉えており、画像には各銀河に成長中の活発的なブラックホールが存在していることが示されています。
ウェッブ望遠鏡は2021年に打ち上げられ、NASAの赤外線スペクトル天文学の宇宙望遠鏡です。現在、最も大きな光学望遠鏡であり、非常に古い遠い天体から画像を取得することができ、1990年に地球低軌道に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡が解決できなかった問題に取り組むことができます。
ハッブル宇宙望遠鏡は、約30億年前の銀河を検出することができますが、より古い銀河を検出することはできません。
2023年6月28日に発表された『ネイチャー』の研究結果によれば、2つのブラックホールを抱える親銀河の質量は太陽の1300億から3400億倍であり、2つのブラックホールの質量は太陽の14億倍と2億倍です。
この前例のない発見は、日本のカブリ数物連携宇宙研究機構の国際研究者で構成される研究チームに、より多くの疑問をもたらしました。
研究者たちは2つのブラックホールが宇宙誕生からわずか10億年でどのようにしてこんなに巨大化したのかがわかりません。宇宙の歴史において、10億年は非常に短い時間です。宇宙の正確な年齢はわかっていませんが、おおよそ130億歳と推定されています。
研究者は、宇宙初期のブラックホールとその親銀河のサイズの比率が、後期のブラックホールと類似していることを発見しました。研究によれば、これはブラックホールとその親銀河との関連性がビッグバンの約8億6000万年後に確立されたことを示しています。
この研究は、「宇宙の最初に現れたのは何か」という問いを提起しています。研究のプレスリリースによれば、この問いは「鶏が先か卵が先か」という問題と同じで、「先に何があったのか」という問題を投げかけています。
この研究の主要な著者であるディン・シューヘン(Xuheng Ding)氏、ジョン・シルバーマン(John Silverman)教授、尾上匡房氏は、望遠鏡の大規模なデータベースを用いて、新しい発見を研究し続けています。
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