修正案は中国、ロシア、北朝鮮、そしてイランの4か国による農地や農業ビジネスの購入を禁じるほか、農務長官を対米外国投資委員会(CFIUS)の常任委員に配置する内容が盛り込まれた。2023年2月9日、カリフォルニア州ホルトビルのレタス畑 (Sandy Huffaker/AFP via Getty Images)

米上院、中国による農地購入禁止法案を可決 

米上院は25日、中国などの敵対的国家が米国の農地を購入することを禁止する修正案を可決した。この修正案は、2024会計年度の国防権限法(NDAA)の上院版に盛り込まれる。

共和党のマイク・ラウンズ上院議員が発表した修正案は、91対7の賛成多数で可決した。同修正案は中国、ロシア、北朝鮮、そしてイランの4か国による農地や農業ビジネスの購入を禁じるほか、農務長官を対米外国投資委員会(CFIUS)の常任委員に配置する内容が盛り込まれた。

CFIUSは、外国の企業買収にあたって国家安全保障上のリスクを審査する委員会。農務長官が常任委員になることで、農業と農業生産について払うべき注意などを同委員に助言することが可能になる。

ラウンズ氏はエポックタイムズに寄せた声明の中で「この4つの敵国は、米国を最大の競争相手とみなし、わが国の能力と資源を監視し、優位に立つことだけを望んでいる」と指摘。「法案は、わが国の国土をより安全にするものだ」と強調した。

2021年1月27日、共和党のマイク・ラウンズ上院議員 (Leigh Vogel/Pool/AFP via Getty Images)

下院でも7月中旬に同様の案が可決されており、今後、上下両院で法案のすり合わせが行われ、署名を得るために大統領に送付される。

この法案は、中国共産党の脅威を念頭に、米国の各州議会が法整備に動くなかで発表された。フロリダ州やテキサス州、バージニア州など共和党が主導する州では、中国企業による不動産取得を阻止する法案などが成立し、外国資本による土地購入の規制を強化している。

CFIUS対象取引リストの拡大

バイデン政権は5月、CFIUSの国家安全保障審査対象リストを拡大し、8つの軍事施設を追加する規則案を公表した。

CFIUSは現在、外国資本による特定の空港・港湾などの不動産購入やリースを審査する権限を与えられている。規則案が施行されれば、これらの追加軍事施設から半径100マイル以内で対象となる不動産取引の審査が可能となる。

8つの軍事施設には、近辺で中国企業によるトウモロコシ製粉工場プロジェクトが計画されていたノースダコタ州のグランドフォークス空軍基地や、テキサス州のラフリン空軍基地が含まれている。

関連記事
アヴリル・ヘインズ国家情報長官によると、北京は米国や世界の選挙に影響を与える能力に自信を深めているという。 2024年の選挙に対する外国の脅威に関する上院公聴会でヘインズ氏は、中共当局は人工知能とビッグデータ分析を通じて影響力作戦のツールを完成させていると述べた。
5月15日、CNNは声明を発表し、史上最初の大統領テレビ討論会が6月27日にCNNで開催されることを確認した。以前、前大統領ドナルド・トランプはその日の早い時間に大統領ジョー・バイデンの招待を受け、6月と9月に二つの討論会に参加することになった。
米国の大統領選挙が再び注目を集めている。現職のジョー・バイデン大統領と前大統領のドナルド・トランプ氏が、6月2 […]
連邦準備制度理事会(FRB)はアメリカの中央銀行として、政策のあらゆる側面に口を出している。それでも、先週のFRBのプレスリリースは極めて奇妙だった。FRBが気候変動を管理できると思うか?FRBの支配は災いをもたらすだけだ。
ラジオ番組のヒュー・ヒューイットとの対談中、トランプ氏は1969年にリチャード・ニクソン元大統領によって広められた表現を引用し、「史上最大の沈黙の多数派」を持っている可能性があると主張した。