米連邦議会議事堂の外観 (Photo by Sarah Silbiger/Getty Images)

「共産主義の残虐性」を学校で教える 共和党議員団、法案を提出

米下院の共和党議員28人は6日、共産主義の危険性を次世代に教育することを義務付ける法案を発表した。議員らは、1億人の犠牲者を出した共産主義は「最も破壊的な政治的イデオロギー」と強調した。

「共産主義批判教育法案(Crucial Communism Teaching Act)」は、共産主義と全体主義の危険性、そしてそれらがいかに米国の自由と民主主義の建国の原則に反するかを中高生に教育することを義務付ける。

教材は人権問題の調査などを行う米NPO「共産主義犠牲者記念財団(VCMF)」が提供する。

法案共同提出者の1人、ミシェル・スティール議員は声明で「北朝鮮の共産主義から逃れた両親を持つ米国の第一世代として、自由がどれほど貴重なものであるかを理解している」と強調。民主主義を守るには、共産主義の残虐性を理解し「犠牲になった人々を決して忘れないよう教育する」ことが重要だと述べた。

マリオ・バラート議員も「共産主義の歴史的背景と致命的な結末を若者に理解してもらうことが不可欠だ」と法案の意義を強調した。

VCMFによれば、大量虐殺飢餓により共産主義体制下で命を落とした犠牲者は1億人に上る。特に中国の毛沢東政権下では、大躍進や文化大革命などの政治運動を通じて8千万人以上が殺害されたと推定されている。

現在でも、全世界で15億人が中国や北朝鮮、キューバなど共産主義国の圧政下で暮らすことを強いられている。

しかし、その残虐性を認識する若い世代は少なく、VCMFが2020年に実施した世論調査では、ミレニアル世代の5人に1人、Z世代の3人に1人が共産主義を「好意的」に捉えていると回答した。

「マルクス主義思想は死んでいない」

共産主義の脅威を次世代に伝える動きは、これが初めてではない。フロリダ州は昨年、同州の公立学校で「共産主義の暴政」を教えることを義務付ける法律を成立させた。

フロリダ州のロン・デサンティス知事は「マルクス主義思想は死んでいない。共産主義中国のように、彼らは今、多くの場所で人々を抑圧している」と署名式で語っていた。

 

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