10月10日、中国が今年3月、意表を突いてサウジアラビアとイランの外交関係正常化を仲介したことは、中東外交の重鎮として振る舞いたい中国の意欲を示すものだった。写真は9日、イスラエル南部スデロット近郊に着弾したガザからのロケット弾(2023年 ロイター/Amir Cohen)

焦点:中国、中東緊迫でも動けず 野心の限界露呈か

中国が今年3月、意表を突いてサウジアラビアとイランの外交関係正常化を仲介したことは、中東外交の重鎮として振る舞いたい中国の意欲を示すものだった。しかし、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争発生によって、その野心の限界が露呈しかねない状況となっている。

サウジとイランの合意後、中国メディアは、米国が長年支配していた中東外交において、中国の存在感が高まったと自画自賛した。

外交トップである王毅共産党政治局員兼外相は、世界的な「ホットスポット問題」の処理において、中国が建設的な役割を果たし続けると述べた。

だが、ハマスによるイスラエルへの組織的攻撃後、中国の反応は鈍かった。

外務省の報道官は、何度もハマスへの非難を避けた。代わりに呼びかけたのは、エスカレートを抑え、イスラエルとパレスチナがパレスチナ独立のための「2国家解決」を追求することだった。習近平国家主席は、この問題について沈黙を守っている。

オランダのフローニンゲン大学の助教授で、中国と中東関係の専門家であるビル・フィゲロア氏は、中国の対応について「中国がこの種の中東問題における巨大な立役者である、というプロパガンダに穴を開けるのは間違いない」と述べた。

 

関連記事
中国政府が経済救済のため海外からの観光客誘致に力を入れている中、先日雲南省騰衝市のあるホテルが「日本人客の宿泊 […]
習近平は11月4日、中共空軍の空挺軍司令部を視察した。新華社は、習近平が空挺部隊に対して訓練を強化し、戦闘準備を進めるよう指示したと伝えた。
英製薬大手アストラゼネカは30日、同社の中国代表である王磊さんが中共当局の調査を受けていると発表した。拘束され […]
張又俠のベトナム訪問は異例で、習近平の名前を一言も言及しなかった。この訪問が示唆するのは、中共内での権力の移行かもしれない。政治分析家は、習の権力が弱まりつつあると指摘しており、中国国内で情報を抑制している状況も浮かび上がる。
「ニューヨーク・タイムズ」は7月22日に、中国の商人肖建華とアリババの創設者馬雲の秘密の商業関係を暴露する二つの深層報道を発表した。