柿は寒露に赤い皮
寒露の後は柿の美味しい季節です。柿はとても甘くて美味しく、その色は黄金色で、北宋の文豪・蘇軾(そしょく)も「黄金の衣よりも美しく、玉液よりも甘い」と褒めずにはいられませんでした。柿は美味しくて価値が高いだけでなく、非常に栄養価が高く、さまざまな健康維持に役立つと言われています。しかし、他の果物よりも食べ合わせに注意が必要な面もあります。
柿は中国で何千年も前から栽培され、果実としても薬膳食材としても、伝統的に食用として用いられてきました。『本草綱目』によれば、柿には「胃を整え、腸を健やかにし、痰を取り除き、渇きを癒し、解毒し、心肺を潤す働きがある」と記されています。
西洋の栄養学から見ると、柿にはビタミンA、ビタミンC、カロチン、ビタミンB3、ビタミンB6のほか、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛などのミネラルや水溶性食物繊維が豊富に含まれており、これらの栄養素が健康維持をサポートします。
ビタミンCはリンゴの10倍 柿の4つの健康効果
1.抗酸化 心血管疾患の予防
柿はビタミンCが豊富で、その含有量はキウイフルーツよりも多いのです。柿のビタミンC含有量は100gあたり75.9mgと高く、これはレモンの2.2倍、リンゴの10倍以上です。ビタミンCの抗酸化作用により、健康維持に役立つと考えられています。
2.目の保護
ミカン科の果物である柿には、ビタミンAとカロテンが多く含まれており、ドライアイ、夜盲症、白内障などの眼病を予防する効果が期待でき、視力の健康に有用な成分が含まれています。
3.肌に栄養を与え、白くする
カロテンが豊富な柿は肌に潤いを与え、ビタミンCはフリーラジカルによるダメージから肌を守る働きがあります。
4.便秘を改善し、腸の健康を促進する
柿はペクチンが豊富で、ペクチンは水溶性食物繊維の一種で、腸の蠕動運動を促進し、腸内細菌の組成を調整し、腸内環境のバランスを保つのに役立ちます。
干し柿はより効果的
干し柿は、柿の皮をむいて干したもので、外側に白い霜の層があるので「白柿」とも呼ばれ、この白い霜は「柿霜」と呼ばれています。
『本草綱目』には、干し柿について「甘くて香りがあり、脾臓と気を補い、のどの渇きを癒し、心肺を潤す」と記されています。また、柿霜についても「喉の健康を保つ」とされており、古くから親しまれてきました。
特に白柿の霜の外側の柿霜は、現代人はしばしばデンプン、防腐剤やカビと間違われますが、実際にはそうではありません。 柿霜は柿の “エッセンス “であり、「本草綱目」では、「心肺、熱、喉の渇き、痰、咳、喉の治療を明らかにする 」ことができると書いてあります。
新鮮な柿に比べ、干し柿はビタミンCの量が減少しますが、食物繊維は2倍になり、栄養価が凝縮されています。ビタミンCの補給が必要な方には、生の柿を取り入れるのも良いでしょう。
干し柿のレシピ:干し柿粥
漢方医の林貴氏は、干し柿を使った簡単なレシピ「干し柿粥」を紹介しています。この粥は、脾臓と肺を補い、腸の収縮作用や止血効果があるとされ、嘔吐血や乾いた咳による喀血、長引く下痢や血尿、痔の出血など、出血性の症状に対応する効果が期待できます。
【干し柿粥の作り方】
材料:
- 干し柿 2~3個(皮をむいて小さく切る)
- 米 100g
作り方:
- 通常の粥と同じ要領で米を炊き、途中で干し柿を加えます。
- 味付けには、好みに応じて氷砂糖や白砂糖を使用してください。
注意:
- 胃の風邪を引いている高齢者は、服用を避けるようにしてください。
干し柿の自然な甘みと栄養を活かしたこの粥は、体を温めながら穏やかに調子を整える効果が期待できます。
柿を食べるのに適さない人は?
中医学の専門家・林桂氏によると、以下の方は柿の摂取を避けたほうが良いとされています:
1. 糖尿病の方
2. 胃腸が弱い方、下痢しやすい方
3. 陣痛中の女性
4. 慢性胃炎や消化不良の方
5. 透析治療を受けている方
柿と食べ合わせの注意点
柿を他の食品と一緒に摂取する際には、いくつかの注意が必要です。特に、柿とカニの組み合わせは禁忌とされています。西洋医学的には、柿のタンニンがカニのタンパク質と結びつき、胃の中で凝固して「柿石」を形成することがあります。これにより、嘔吐、腹痛、下痢などの消化不良の症状を引き起こすことがあります。
実際、カニ以外にも次の食品と柿を同時に食べることは避けたほうが良いとされています:
1.エビ、カニ、魚、貝類などの高タンパク食品
2.牛乳、豆乳などの乳製品や大豆製品
3.落花生など、胃酸を増やす食品
4.空腹時の摂取は避ける
柿の美味しさを十分に楽しむためには、適切な摂取方法と食べ合わせのルールを守ることが重要です。正しい知識を持って、季節の味覚を安心して楽しんでください。
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