12月11日、米テキサス州の最高裁判所は、中絶がほぼ全面禁止されている同州の医療上の例外規定に基づいて妊婦に緊急中絶を認めるとした地方裁判所の判断を覆した。写真は中絶権デモ参加者。昨年6月、テキサス州デントン で撮影(2023年 ロイター/Shelby Tauber)

テキサス最高裁、「医療上の例外」による中絶認めず 地裁判断覆す

[11日 ロイター] – 米テキサス州の最高裁判所は11日、中絶がほぼ全面禁止されている同州の医療上の例外規定に基づいて妊婦に緊急中絶を認めるとした地方裁判所の判断を覆した。

同州に住む原告のケイト・コックスさん(31)は3回目の帝王切開につながる妊娠継続は自身の健康を脅かすだけでなく、将来の妊娠・出産を難しくすると主張。医師は中絶が医療上必要と診断したが、州法違反の懸念から先週に州法の一時差し止めを申し立てた。

地裁は中絶手術を認めたが、パクストン州司法長官(共和党)は地裁判断について州法に違反した医師らを訴追から守るものではないと警告し、最高裁に判断を求めていた。

裁判では、コックスさんの担当医が医学的に緊急中絶が必要とする「誠実な信念」に基づく例外適用を主張。これに対し、州最高裁は州の例外規定に当てはめるには不十分とし、医師は中絶が妊婦の死亡や身体機能の障害を防ぐために必要だとする「合理的な医療上の判断」を行う必要があると指摘した。

パクストン長官側はコメント要請に応じていない。

今回の訴訟は、テキサス州の中絶禁止に対する医療上の例外の範囲が試される重要な裁判となった。

コックスさんの胎児は18トリソミーという染色体異常と診断され、出生後も長くは生きられないとされる。

コックスさんは現在、中絶手術を受けるためにテキサス州を離れている。

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