どこの街角にもある顔認識用のカメラ。AIにつながっていて即、誰であるかが認識されてしまう。 (Photo by STR/AFP via Getty Images)

中国「国家機密・安全を脅かす行為」取締り強化  人権侵害が深刻化か

中国国家安全部が最近、「国家の機密安全を脅かす行為」を取り締まるとして、「秘密保持リスト」を発表した。これは去る7月1日から、新しい「反スパイ法」改正案を施行している中で出た措置であり、中国共産党(中共)の秘密管理規則が国民の日常まで束縛するという懸念を生み出している。

中国国家安全部は25日、ウィーチャット(WeChat)を通じて「日常の秘密保持に関する注意事項リスト」を発表した。このリストは、機密文書、機密コンピュータ、日常用携帯電話、チャットグループなどに関連する計26の要件を含んでいる。

このリストによると、すべての国民は「機密文書」を保管・撮影・流布してはならず、機密の場所に携帯電話を持って行ってはならず、携帯電話で国家機密に関する内容を伝えてはならない。 

また、友人・同級生・家族と機密に関する内容を話し合ってはならず、友人・親戚を訪問したり、公共の場所を出入りする際に機密文書を持って行ってはならない。

国家安全保障部は「国家機密の安全を脅かすすべての行為は法によって処罰される」とした。

取り締まり対象は「すべての公民」であり、当局は「業務や日常の些細な部分」から「機密保持の鉄壁を築くこと」を求めた。 しかし、国家機密事項、機密情報、機密関連場所などについては定義していない。

中国の法曹界出身で、カナダで活動している中国評論家の賴建平氏は26日、エポックタイムズのインタビューで、いわゆる国家機密は一般市民が、アクセスできるものではないとし、「党・政・軍、学界・研究機関など国家機密を扱う機関に所属している人が監視対象になる可能性がある」と話した。

また、「ジョージ・オーウェルの小説『1984』で『ビッグブラザー』が監視しているように、今や国家安全部が普通の人々の日常生活に関与している」とし、「前例のない緊張の雰囲気を作り出すことは、中共政権が極めて脆弱なレベルに達したことを示すだけだ」と述べた。

カナダで活動する中国系作家の盛雪氏は26日、エポックタイムズに「中共はしばらくの間、国際社会の視線を意識して人権と関連して偽装してきたが、今回の機密リストが示すように、今は気にしていない」と語った。

盛雪氏は、中共は一般的な文明国とは異なり、党の統治に不利な情報はすべて国家機密とみなすと指摘した。

盛雪氏によると、1989年の天安門事件は全世界に知られている事件だが、中共は国家機密とみなし、現在の中国の景気低迷は全世界が知っている事実だが、中共はこれを国家機密に分類する。

盛雪氏は、「コロナが全世界を襲ったのは、中共が最初からそれを国家機密とみなしたからだ。まるで医師李文亮氏のように、外部に情報を公開したことで迫害を受けた」と語った。

国家機密の範囲が国民の日常生活のあらゆる面に拡大することで、人権迫害がさらに深刻化するとし、「今は反体制派や自由を求める民主主義者だけでなく、中国にいるすべての人が危険にさらされている」と盛雪氏は述べた。

本来国民の味方であるべき警察や軍隊は共産党のためだけに働いている

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(Photo by NOEL CELIS/AFP via Getty Images)

また、中国当局のこのような措置は、ますます激化する共産党内部の闘争で相手を攻撃する武器として利用される一方、中共の人権侵害の道具になる可能性があると述べた。

賴建平氏は、中国人の唯一の逃げ道は、勇敢に立ち上がって中共全体主義の専制政治を覆すことだと述べた。

賴氏によると、中国の問題を根本的に解決するには、中国国民が何らかの方法で戦う道徳的勇気を持つことが唯一の逃げ道であり、そうでなければ誰もが中共の独裁の犠牲になる。

 

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