幸せが習慣になる時:毎日が新しい自分である(上)

【再掲載】

幸せは、そよ風のようにつかみどころがありません。私たちが何かで喜んでいるときは、足取りまで軽やかになり、人との交流はよりスムーズで丁寧になります。幸せは、細胞の活力と脳の創造力を活性化するのです。誰もがごちゃごちゃした現代の生活の中で、より多くの幸せを望んでいます。

「辛くて楽しい」という歌詞を聞いたことがあるかもしれませんが、親愛なる家族や友人が私たちの心に怒りを燃やす時、好きか嫌いかなど多くのことが絡み合っていて、良いか悪いかをはっきりさせるのが難しいものです。

しかし幸せは、脳の中にたどる「道」があり、そして心の「力」によって強化されることで、「断ち切っても断ち切っても捨てきれない」という悩みを乗り越えるのを助けてくれます。それは健康にも美容にも良いとされています。では、私たちはどのようにして幸せを習慣に変えることができるのでしょうか。

考えてみましょう「毎日が新しい自分」

私たちは常に間違いを犯すので、自分に過大プレッシャーを与えないでください(Kazpon / PIXTA)

世の中で一番つらいのは「後悔」だと言われています。後悔と自責は私たちの体と表裏一体の関係にあり、その体のどこかは、1秒ごとに新しい細胞によって生まれ変わっているのです。

「1秒前の自分とは違う。リフレッシュで不満を薄め、自信を取り戻すことができる」

自分を卑下しそうなとき、あるいはなぜか悲しくなったとき、自分に向かってこう言ってみましょう。

著名な心の科学研究家であるドーソン・チャーチ(Dawson Church)氏は、生物学、物理学、心理学などの研究によって「アイデア」が「物質」に変わる複雑なメカニズムを確認しました。彼は著書『科学的にあなたが考えていることが真実であることを証明する:心から物質への驚くべき創造力』の中で、私たちは毎秒変化していることを明らかにしました。

私たちは起きていても寝ていても、大脳神経細胞は循環し続け、毎秒少なくとも1つのニューロン(情報伝達の神経細胞)が更新され、大脳ニューロンの再生速度は驚くほど速く、肝臓、心臓、皮膚など体の異なる細胞組織も異なる速度で更新されているのです。

これは癒しが、私たちの体で自然にできることを意味しています。

脳は再配線して幸せを習慣化する

考え方は常に脳の神経回路強化を誘発しており、ネガティブな情報に焦点を当てないよう有益な情報を選ぶ。(metamorworks / PIXTA)

幸福は物質でもあると同時に心の状態でもあります。私たちは逆に脳が働く仕組みを利用して、喜びを習慣にすることができます。

睡眠障害のある人の大部分は、脳が常に興奮していることを明らかに感じることができます。私たちの一思一念は常に頭の中から飛び出し、強烈な時は生活にも影響を与えるのです。医療関係者がMRIや脳波検査をすると、思考が物質を生み出していることを示す脳のエネルギー場を理解できて解釈できます。

興味深いことに、私たちが決定を下したり、学習に没頭したり、環境に適応したりするとき、脳の特定の神経伝導経路を刺激しています。アイデアが常に発せられると、脳はよく使われる神経回路を能動的に強化するのです。

考えてみると、日常生活の中で私たちがどれだけマイナス思考を発しているか:憎しみ、嫉妬、論争、愚痴……頻繁に考えると、この部分の脳領域は体積が増大し、強度も増すので、自分の感情や健康にマイナスの影響を与えます。

私たちが考え方を変え始めると、脳ニューロンは再配置され、古くて使われていない回路は徐々に萎縮していきます。マイナス思考が襲ってきたら、それを排斥し、「古くて使わない回路」に変えて、プラスの楽観的な考えで脳細胞を構築します。

私たちがよく発する前向きな考え(プラス思考)は、神経叢内のニューロンを繰り返し刺激しますが、シナプス接続の数は1時間で2倍に増加することが多く、数週間後には脳に明らかな変化がでてくるのです。楽しい気持ちは、自然と私たちの心の中に流れていくのです。

(つづく)

林海柔