デンマークの海運大手APモラー・マースクの船に対する先週末のミサイル攻撃や乗船の試みを受け、海運会社が紅海の航行再開計画を見合わせる中、海上運賃が高騰している。写真はイエメンのホデイダ港で2016年11月撮影(2024年 ロイター/Khaled Abdullah)

海上運賃が上昇、紅海の新たな船舶襲撃受け

[ロサンゼルス 3日 ロイター] – デンマークの海運大手APモラー・マースクの船に対する先週末のミサイル攻撃や乗船の試みを受け、海運会社が紅海の航行再開計画を見合わせる中、海上運賃が高騰している。

イエメンの親イラン武装組織フーシ派は11月以降、紅海で相次いで商船を攻撃。海運各社はアフリカ南端の喜望峰を回る長距離ルートへの変更を強いられ、輸送コストが上昇している。

紅海と地中海を結ぶスエズ運河はアジアや中東から欧州に燃料や食料、消費財などを運ぶ最速ルートで、世界のコンテナ貨物の3分の1の輸送に使われている。イケアやウォルマート、アマゾン・ドット・コムなども利用しており、一連の商船攻撃で多くの企業向けの輸送に既に遅れが出ている。

国際貨物の予約・決済プラットフォーム、フレイトスによると、アジアから北欧への40フィートコンテナの運賃は今週2倍以上に上昇し、4000ドルを超えた。アジアから地中海への運賃は5175ドルに上昇した。

影響が比較的小さい北米向け運賃も上昇している。米東海岸向け貨物の最大3割がスエズ運河を経由する。物流業界幹部は一部が米西海岸への輸送に変更されるとみている。

アジアから北米東海岸への40フィートコンテナ運賃は3900ドルと55%上昇。フレイトスの調査責任者によると、貨物の迂回を見込んで西海岸向け運賃も63%上昇して2700ドルを超えた。

関連記事
イスラエル、レバノン侵攻の深層 イスラエルがレバノン南部に侵攻し、ヒズボラ壊滅を目指す中、イランの弾道ミサイル攻撃がイスラエルに向けて発射された。長期計画に基づき、ヒズボラの指導層は事前に排除され、激しい戦闘が展開されている。
イスラエル軍は1日、イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したと発表した。180発超のミサイルが国内に向け発射された。
米国とイラクは、2026年末までに連合軍を段階的に撤退させ、イラクの安全保障体制を強化するための過渡計画に合意した。
ヒズボラのポケベルやトランシーバーがレバノン各地で爆発し、少なくとも32人が死亡、数千人が負傷。連続した爆発は中東の緊張を高める。アメリカは関与を否定。
レバノンでヒズボラのポケベルが爆発し、9人が死亡、2800人が負傷。米国は関与否定、犯人不明。ヒズボラはイスラエル非難。専門家は爆発原因を推測中。