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実行しやすい10:14断食 健康効果も期待(下)

健康と減量の分野で断続的断食ダイエットが人気を集めています。研究結果によると、継続的断食は減量、気分と睡眠の改善、空腹感の軽減や健康の促進などに寄与することが示されています。

研究:断続的断食は肥満・糖尿病など慢性疾患の改善に寄与する

2020年に「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌に発表された研究は、3種類の断食、断続的断食(一日おき)、5:2断食、1日1食断食)の多面的な健康効果をまとめました。

これらの断食の効果として、グルコース調節の改善、ストレス耐性の強化、抗炎症などが挙げられています。 

断続的断食は、肥満、糖尿病、心血管疾患、がん、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性脳疾患など、さまざまな慢性疾患に対して強力な緩和効果を発揮することが動物実験で示されています。

5:2断食は1週間単位で行われます。そのうち軽い断食の日が2日あり、断食の日は500~600キロカロリー程度(通常の摂取量の約4分の1)の食事しか取らず、残りは普通通りに食事をします。

1日おき断食法は、1日は通常通り食事をし、翌日は軽い断食を行う方法です。

この論文の著者の一人であるジョンズ・ホプキンス大学のマーク・マットソン博士によれば、食事を摂らない数時間後に、体は糖の貯蔵量を使い果たし、脂肪を燃焼し始めます。断続的断食は脂肪燃焼の時間を延長することができます。

成功の鍵とは

どのタイプの断食を選ぶにせよ、より良い結果を得るためには長期間続ける必要がある、これが多くの研究の共通した結論です。体が断続的断食に適応するには2~4週間かかるかもしれません。その間、空腹を感じたり、イライラしたりするかもしれません。 この段階を乗り越えれば、長く続けることが容易になります。

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そのため、まずは毎日10 時間以内に食事をし、14 時間断食する14:10断食など最も簡単な断食法から始め、一定期間経ったら16:8断食(8時間が食事、残り16時間断食)や18:6断食(6時間食事、残り18時間断食)などより厳しい断食法に挑戦してみましょう。

2023年1月に「Journal of the American Heart Association 」(JAHA)に掲載された研究では、6年間の追跡調査期間中、1日の最初と最後の食事までの時間と体重の変化と直接の関係はなかったものの、豪華な食事の回数を減らすことが体重増加の抑制に関連する可能性があることがわかりました。 

断食時間が長ければ長いほどいいというわけではありません。あまりに長い時間(例えば24時間、36時間、48時間)食事を摂らないのは危険なだけでなく、必ずしも体に良いとは限りません。また長期間食事を摂らないことで、身体が飢餓に対応するために脂肪をより多く蓄えるようになる可能性があります。

断続的断食は、空腹感、疲労感、不眠、吐き気、頭痛などの不快な副作用を生じることがありますが、これらの症状は通常は1か月以内に消えます。

断食は多くの人にとって安全ですが、すべての人にとって安全というわけではありません。妊娠中や授乳中の方、18歳未満の子供や青少年、1型糖尿病でインスリンを服用している方、摂食障害の既往歴がある方は、断続的断食をしないでください。または断食を試す前に医師に相談してください。

(完)

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