モデルナ社の新型コロナワクチンに使われているmRNA技術に毒性リスクがあると、同社の科学者らは新たな論文で述べている。
先月23日に科学誌ネイチャーに掲載された論文で、科学者らは「現在の大きな課題は、mRNA技術に関連する潜在的な毒性リスクをいかに効率的に回避するかだ」と書いている。
モデルナ社とファイザー社の新型コロナワクチンには、mRNA技術が使用されており、mRNAは脂質ナノ粒子によって送られる。
論文著者らは、「脂質ナノ粒子の構造成分、製造方法、投与経路、複合化mRNAから生成されるタンパク質はいずれも、毒性に関する懸念をもたらす」としている。
著者の中には、モデルナ社の従業員であるエリック・ジャキネ氏とディミトリオス・ビトゥーニス氏、そして論文執筆時にモデルナ社で働いていたマクシミリアン・ロジャーズ氏が含まれている。
モデルナ社はエポックタイムズ のコメントの要請に応じなかった。
mRNAワクチンには、心臓の炎症や重篤なアレルギー性ショックなど、複数の既知の副作用がある。これらは過敏反応に起因している可能性がある。過敏反応は「あらゆる脂質ナノ粒子 – mRNA成分」によって引き起こされるが、「最も潜在的に反応原性のある成分」であるPEG化脂質ナノ粒子によって引き起こされる可能性が高いと科学者らは述べている。
ファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンの成分であるポリエチレングリコール(PEG)は、アレルギー反応を引き起こすことが知られている。心臓に炎症が起こるメカニズムについて、外部の科学者らの間では意見が割れているが、ファイザー社は脂質ナノ粒子がこの問題の背景にあると推測している。
この新たな論文は過去に発表された論文やその他のデータに基づいており、著者らは新たな実験を行っていない。
引用された論文のなかには、ワクチン投与開始時に保健当局がそのような物質は数日以内に体外に排出されると主張していたにもかかわらず、ワクチン接種後数週間から数か月後に、モデルナ社のワクチンによって送られたmRNAとスパイクタンパク質をヒトのさまざまな部位で発見した論文も含まれている。
科学者らは、モデルナ社の新型コロナワクチンは「安全で効果的」であると述べ、最新ワクチンの開発を「臨床におけるmRNA技術による修正の迅速なタイムラインを示すもの」と評価したが、「mRNAは一過性である」ため、「繰り返し投与する必要があるかもしれない」と述べている。
後に科学者らは、mRNAベースのワクチンや薬剤の毒性リスクを減らすことは必要だが、「複雑なことだ」と指摘し、研究室での高度な試験や、「ヒトと動物の生理機能の違い」をよりよく説明するための前臨床動物実験の調整など、多方面からのアプローチによって達成できるとしている。
モデルナ社などの企業は現在、インフルエンザワクチンやがん治療薬など、数多くの新たなmRNA製品を試験している。
「私たちが構築したmRNAプラットフォームのおかげで、今後5年間で最大15件の製品を発表できる見込みだ」と、モデルナ社のステファン・バンセルCEOは、直近の決算説明会で投資家らにそう語っている。
ロバート・マローン博士の反応
mRNA技術の発明に貢献したロバート・マローン博士によれば、この論文はmRNAベースのワクチンに関連するさまざまなリスクを軽視しており、ある種の「リミテッド・ハングアウト」ではないかと指摘している。「リミテッド・ハングアウト」とは、一部の情報をあえて提供することで、他の情報をうやむやにして隠蔽するテクニックのことだ。マローン博士は以下のように指摘している。
「この論文の全体的な意図として、最も寛大な解釈をするならば次の通りだ。この論文は、モデルナが、自社やその活動、またはその基盤となるプラットフォーム技術を、できる限り最高の状態にしておくためのやり方で、このプラットフォーム技術のリスクと毒性に関する情報を要約し、表現したものである」
「あまり寛大ではない解釈としてはこうだ。この論文はいわゆるリミテッド・ハングアウトと呼ばれるプロパガンダ戦略を目立たないようにしたものだ」
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