日本に寄港する中国クルーズ船…「国産」銘打つも技術や部品は欧州勢に依存
火鍋レストラン、大型免税店、麻雀ルーム…中国の中産階級をターゲットとする大型クルーズ船「愛達・魔都号(アドラ・マジックシティー)」は年始に就航し、7日間かけて日本と韓国を周遊した。中国共産党は「初の国産」と称して民族的野心を鼓舞するも、船体部品の3分の2以上は輸入で、重要技術や設計は欧州企業に大きく依存している。
3千人もの乗客を乗せて済州島や長崎、福岡をめぐった巨大クルーズ船は、上海外高橋造船有限公司および国有・中国船舶集団(CSSC)の子会社が建造した。長さ323メートル、高さ72メートル、24階建てで、2125室の客室を有し、最大5246人を収容できる。
2013年に中国共産党党首の習近平が海南省を視察した際に建造を指示したことをきっかけに、中国船舶集団と世界最大のクルーズ会社であるカーニバル・コーポレーションが合弁企業を設立し、竣工させた。造船大手の伊フィンカンティエリとの技術提供契約により、中国の造船所は中国顧客向けの設計に仕上げた。
関連記事
東芝グループが上海に設立した半導体技術子会社が、約25年の事業を経て登記を抹消した。中国で日系企業の事業縮小が相次ぐなか、ジェトロの調査では中国事業の拡大意欲も過去最低となった
「ゴーストタウン」を目にし、企業関係者からは成長への懸念も。7年ぶりに中国を訪れた米議会USCC代表団が、現地で見た中国経済の変化を語った
中国共産党当局が富裕層の海外資産やオフショア信託への税務監視を強化している。海底撈共同創業者の妻による大規模な株式売却を受け、香港市場では創業者が信託を通じて株式を保有する企業への影響を警戒する声が出ている
米商務省はインド、インドネシア、ラオスからの太陽光発電部材に対し高率な反ダンピング・相殺関税を最終決定した。中国企業の迂回輸出を阻止し国内製造業を保護する狙いだが、過剰在庫を巡る貿易摩擦は激化している
中国の輸出急増と貿易黒字拡大を受け、米欧など世界的な反発が強まっている。関税逃れのためのサプライチェーン迂回や見せかけの脱中国化が進む中、過剰生産を世界に押し出す中国の経済モデルへの圧力が本格化している