BYDの時価総額が4割下落 成長株としての評価見直し

2026/07/03 更新: 2026/07/03

中国の新エネルギー車大手・BYDの時価総額が、過去12か月の高値からおよそ4割下落した。市場では、同社に対する評価がテクノロジー成長企業から製造業へと見直されたことが背景にあるとみている。  

中国乗用車市場情報連席会(乗聯会)の崔東樹・秘書長が7月1日に公表したデータによると、BYDの6月の時価総額は6649億元(約13兆円)で、前の月より18%、去年の同じ月より36%それぞれ減少した。過去12か月の最高値である1兆1241億元(約22兆円)からは40.8%の下落となっている。  

また、会社が発表した生産・販売データでは、2026年上半期の新エネルギー車の生産・販売はいずれも前年同期を下回った。生産は181万4100台で15.11%減、販売は180万8500台で15.72%減である。一方、6月単月では販売が前年同月比5.5%増となった。  

株価も下落が続いている。7月1日のA株終値は80.66元で、6月2日の高値から16.74%下落した。香港市場では、6月30日の終値が72.45香港ドルで、高値から25.1%下落している。  

市場関係者は、今回の下落について、成長企業としての評価を見直した影響が大きいと指摘している。メディア関係者のMike Li氏は、BYDが成長期待で評価される段階を過ぎ、資本市場が企業の位置付けを見直したとの見方を示している。  

また、著名投資家による株式売却や資金流出も影響した。市場では、これまでの高い成長を前提とした評価から、製造業としての収益性を重視する評価へと変化し、評価水準が引き下げられたとみている。  

ブロガー「阿庫財経」も、これまでの高い株価は成長期待に支えられていたと指摘する。新エネルギー車の普及率が60%を超え、市場は新規需要の拡大から既存需要の競争へと移行したとしている。このため、今後の高成長への期待が弱まり、評価の見直しにつながったとみられる。  

機関投資家の撤退と資金流出

さらに、機関投資家の動きにも変化がみられる。2025年第1四半期にはおよそ1千本の公募ファンドがBYD株を保有していたが、2026年第1四半期には72本に減少し、保有額も530億元(約1兆円)から76億元(約1500億円)へと減少した。市場では、機関投資家の撤退が株価の下押し要因となったとの見方が出ている。  

業績面でも厳しさがみられる。2026年第1四半期の純利益は前年同期比55.38%減となった。在庫は1604億元(約3兆円)と過去最高を更新している。  

関係者は、拡張投資の影響で生産拠点の稼働率が低下し、減価償却費の負担が増していると指摘した。また、主力バッテリーの新世代モデルの立ち上げの遅れも課題としている。  

競争環境も厳しさを増している。国内では自動運転分野での優位性が明確でない中、華為(ファーウェイ)や小米などとの競争が激化している。海外では事業拡大が進む一方で、収益性の低下が課題となっている。  

ブロガー「丈量K線」は、売上の減少幅に比べて利益の落ち込みが大きい点に注目している。売上はおよそ12%の減少にとどまったのに対し、純利益は55%減となった。価格競争の激化により、利益率が大きく低下していると分析している。  

楊旭
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