日銀、マイナス金利政策を解除 17年ぶりの利上げ 大規模緩和から転換
日本銀行は19日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和策の一環であるマイナス金利政策を解除し、約17年ぶりの利上げを決定した。これにより、短期金利をマイナス0.1%から0~0.1%に誘導する。植田和男総裁は19日午後に記者会見を開き、決定内容や理由、今後の金融政策運営の考え方について説明する予定。
NHKなど複数のメディアが報じた。日銀は、約11年続いた異次元の金融緩和からの転換点を迎えた。マイナス金利政策は2016年1月に導入され、大規模な金融緩和策の柱となってきたが、賃金の上昇を伴う2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になったとして、政策変更に踏み切った。
金融市場に大量の資金を供給する目的で行ってきた上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の新規購入も終了する。ただし、金利急騰時には利回りを指定して国債を買い入れる「指し値オペ」などで金利を抑える方針だ。
日銀はマイナス金利解除の判断に際し、2024年春闘を「大きなポイント」と位置付けていた。連合が15日公表した平均賃上げ率は33年ぶりの高水準となる5.28%を達成し、中小企業も4.42%と32年ぶりの高い水準となったことが判断の追い風となったようだ。
世界的にも異例な対応が続いてきた日本の金融政策は正常化に向けて大きく転換することになる。ただし、日銀はマイナス金利政策を解除しても追加の利上げは急がず、当面は緩和的な環境を続ける方針だ。
関連記事
カナダ産原油を積んだENEOSのタンカーが2026年8月12日、鹿児島市の喜入基地に到着。高市首相はXに、「大変喜ばしく、日本のエネルギー安全保障の確保の観点からも、意義深いこと」と投稿した
7月の日米協調為替介入の効果が弱まりつつある。市場では円安圧力が続くとの見方がある一方、日本銀行が9月か10月にも追加利上げに踏み切るとの観測が強まっている
財務省は2026年4~6月期の為替介入実績を公表した。政府・日銀は4月30日に過去最大となる6兆2787億円の円買い・ドル売り介入を実施。3日間の総額は11兆7349億円に達した。7月には日米による協調介入も行われた
経産省が中小企業からの回答を基に「発注者リスト」を公表。支払条件は9割超が最高評価と大きく改善する一方、官公需では価格転嫁が進まない機関も残る。中小・下請け事業者は、自社の取引先の評価を客観データとして確認し、値上げ交渉の材料にできる
米・イラン緊張やホルムズ情勢が続く中でも、日本は多地域から原油を調達し備蓄を活用することで、仮に調達が前年比75%に落ち込んでも2027年度末まで国内の石油供給を安定維持できるとの見通しが示された。