株式会社クリスクが運営する通信制高校の情報サイト「通信制高校ナビ」(https://www.tsuushinsei-navi.com/)では、2022年、2023年調査の続編として、2023年12月1日〜2024年2月15日、「通信制高校に期待すること、不安なこと」についてアンケート調査を実施しました。
現在、全国の生徒数が年々増加している通信制高校。文部科学省の「学校基本調査」によれば、令和5年度には26万4,974人で、令和元年度と比べて約7万人増となっています。
選択肢として身近になってきた通信制高校ですが、入学や転入・編入を検討している生徒やその保護者にとって、不安や疑問に思うこと、また期待することは何でしょうか。
今回は「通信制高校ナビ」の利用者609名(保護者429名、本人180名)を対象に、アンケートを実施しました。
【Q1】通信制高校について不安な点があれば教えて下さい(複数選択可)/親はその先の将来を、入学者は在学中の環境を不安視
保護者の回答として多かったのは、「将来の目標ややりたいことを見つけられるか」(12.4%)や「学校に馴染めるか」(11.1%)、「全日制高校と同じ高校卒業資格が取れるか」(10.5%)、また「その先の進学に影響がないか」(9.9%)となっており、本人と比較すると、高校で実際に何を得られるのか、高校卒業以降にどうなるのかを見据えた内容が選ばれていました。
一方、本人の回答では、「学校に馴染めるか」(12.2%)が最も多く、次いで「その先の進学に影響がないか」(10.6%)、「全日制高校と同じ高校卒業資格が取れるか」(10.2%)、「友達ができるか」(10.1%)が選ばれています。
加えて、どんな先生や生徒がいるのかも保護者より多く選択されており、本人の不安としてはどれだけ充実した高校生活が送れるか、周囲と馴染んで安心して日々通うことができるかに重きが置かれているようです。
「全日制高校と同じ高校卒業資格が取れるか」を選んだ人が両者ともに10%を超えている点については、通信制高校のシステムがまだ十分に認知されていない可能性が考えられます。
【Q2】通信制高校に期待すること(複数選択)/人間関係への期待は親のほうが大
期待することについては、保護者は「高校卒業資格を確実に取得できる」(19.4%)、「目標に向けた勉強ややりたいことができる」(13.5%)と、高校生活の中で将来への足がかりをつくってほしいと期待を寄せていることが伺えるのに対して、本人で最も多かったのが「自由な時間を作る」(17.1%)。これは保護者では4.8%と、大きなギャップがあることがわかりました。
本人としては「高校卒業資格を確実に取得できる」(16.3%)ことにも期待しつつ、自由な時間が作れることが最も重要視されているようで、学校生活とは別にやりたいことがある生徒が多いのかもしれません。
【Q3】通信制高校についての疑問点があれば教えてください/回答者の2割が「費用」を不安視
疑問点として最も多く回答があったのは費用に関する内容でした。授業料や入学金などトータルでかかる金額がいくらになるのかといった疑問に加えて、「高校の授業料無償化などの支援制度適用の対象になるかどうか」など、経済面での公的な支援が受けられるかどうかを気にしている声も。物価上昇が続く中で、経済面で不安を抱えている世帯が多い様子が伺えます。
【調査内容まとめ】親子でニーズの違いも。両者納得できる選択のために家族でしっかり情報共有を
今回の調査結果からは、通信制高校への進学や転入・編入を視野に入れている人の中でも、まだ基本的なシステムへの理解が不十分であることや、保護者と本人とでは不安に思うことや期待していることが異なる点も多いことがわかりました。
通信制高校とひと言で言っても、スクーリング回数や授業の内容、学校生活のサポートのしかた、学校の雰囲気や進路など、今は多様な個性を持った学校があり、入学者にとって合っているかはじっくり比較検討することが必要です。
しかし、それぞれの個性を見て検討する前に、基礎的なシステムについての知識はまず欠かせません。学校運営者やメディアも、より情報発信を工夫していく必要がありそうです。
上記アンケート結果について、より詳細な内容は下記URLよりご確認いただけます。
→ https://www.tsuushinsei-navi.com/real/tsuushinsei/10466/
【調査概要】
調査対象:通信制高校ナビの利用者609名(親・保護者:429名、入学者本人:180名)
調査期間:2023年12月1日〜2024年2月15日
調査方法:通信制高校ナビ利用者対象アンケートフォーム
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