米ボルティモアではコンテナ船が衝突した橋が崩落したため港への船舶の出入りが停止された。これによって物流面で何らかの問題が発生しているが、他の東部の港湾がより多くの貨物を受け入れる余地があるので、全米規模で新たなサプライチェーン(供給網)の危機をもたらす公算は乏しい。エコノミストや物流専門家はこうした見通しを示した。写真は崩落した橋。26日撮影(2024年 ロイター/Craig Hudson)

橋崩落によるボルティモア港閉鎖、全米規模の供給網危機起きずとの見方

David Lawder

[ワシントン 27日 ロイター] – 米東部メリーランド州ボルティモアではコンテナ船が衝突した橋が崩落したため港への船舶の出入りが停止された。

これによって物流面で何らかの問題が発生しているが、他の東部の港湾がより多くの貨物を受け入れる余地があるので、全米規模で新たなサプライチェーン(供給網)の危機をもたらす公算は乏しい。エコノミストや物流専門家はこうした見通しを示した。

ボルティモア港の閉鎖がいつまで続くのか現時点では分かっていない。イエレン財務長官は27日、連邦政府のサプライチェーン対策専門チームが会合を開いてボルティモア港閉鎖の影響を検討していると説明した一方、バイデン政権として港再開のためできるだけ速やかに全力を注ぎ込むと強調した。

こうした中でニューヨークからジョージアまで東部各地の港湾運営当局には、ボルティモアに向かう予定だった貨物を回せるかどうかの問い合わせが殺到している。

バージニアのノーフォーク港当局の広報担当者は「われわれは手助けする準備ができている。コンテナの取り扱いが急増しても対応する十分な余裕がある」と語った。

コロナ禍の2021年と22年に米国の港湾は人手不足と貨物の滞留に見舞われ、経済にインフレをもたらす結果になった。しかし複数のサプライチェーン専門家によると、当時よりも米国の港湾の足腰は強くなっている。

オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ライアン・スイート氏は「橋崩落はサプライチェーンショックに対する米国の脆弱さを改めて思い出させた。だがこの事故の経済的な影響は、全米規模というよりもボルティモア周辺に限られるだろう」と記した。

その上で「商取引や輸送が妨げられても国内総生産(GDP)で確認できるほどではなく、物価押し上げ効果も小さくなる」とみている。

一つ懸念されているのは、自動車の輸出入への影響。ボルティモアは米国最大の自動車の輸出入基地で、昨年は年間75万台を取り扱っていたからだ。

ただフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は一部の出荷のルートを迂回させるとしつつも、影響は大きくないとしている。

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