脳卒中リスクを軽減:ブロッコリーの化合物の効用(2)

(続き)

スルフォラファンの保護特性:抗酸化、抗炎症

劉先生はオーストラリア放送協会のインタビューで、チームメンバーたちと3年前からブロッコリーと他のアブラナ科の野菜を研究し始めたこと、100種類以上の天然製品をスクリーニングして、脳の血栓を防ぐ効果があるものを探していたと言います。

彼の専門分野は、健康的な食事によるがん予防の方法を探ることでした。現在は、アブラナ科の野菜から抽出されたスルフォラファンに焦点を当て、それが循環系における血栓を治療出来るかどうかを研究しています。

スルフォラファンはブロッコリーに限らず、アブラナ科の野菜が昆虫や他の害虫から自身を守るために防御機構として生産されるものです。劉先生は、例えば完全な状態のブロッコリーにはスルフォラファンは含まれていませんが、それを調理し、食べる段階で、化学反応が起こり、スルフォラファンが生成されると説明しました。

スルフォラファンの抗酸化および抗炎症特性は本来植物を保護するためのものですが、人間が摂取した場合、スルフォラファンは抗がん作用、健康保持の効果があることが明らかになりました。

 

研究結果:スルフォラファンは脳卒中の発生を緩和することができる

劉先生はオーストラリアの心臓研究所(HRI)のインタビューでも、「我々は臨床前試験で、薬物とブロッコリー由来のスルフォラファンを一緒に摂取した場合、tPAの成功率が60%に増加することを発見しました。興奮すべきことに、この自然に存在する化合物は、脳卒中治療で試験された血液希釈剤の一般的な副作用である出血の兆候を引き起こさない」と言いました。

臨床前試験では、スルフォラファンの摂取が血栓の形成を減少させ、同時にtPAの効果の改善を示しました。初期テストではまた、スルフォラファンが脳卒中の発生を緩和できることを発見しました。

ブロッコリーの化合物は、脳卒中後の血栓溶解薬の性能を効果的に改善するだけでなく、脳卒中の高リスク患者に対する予防薬としても使用できます。

劉先生の次のステップは、新しい予防および抗凝固療法を5年以内に開発することを目指し人体臨床試験のための資金を調達することです。ラジオインタビューで「この自然製品は以前からがん予防に使用されていたので、安全性や他の薬理学的特性に関して十分な根拠がある」と述べました。

英語の報告については、The Epoch Timesの記事「Compound Found in Broccoli Could Help Dissolve Blood Clots and Prevent Stroke」を参照してください。

(完)

大紀元のフリーランスの医療ライター。正看護師でもあり、以前は救急医療で勤務。主に心臓病関連のトピックを専門とする。